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(じゃーそれで、。。お姉さん一人でお店を?)

KYの旦那の事も探りを入れてみることにした

幸い、成長と体のリフォームで、顔もバレることもない

離婚で母の名字になっているしこっちが教えない限り安全だ


(いいえ?結婚してますよ、元々夫婦で教師でした、旦那の実家なんですよここは

引っ越し祝いでサービスしときますね?)


(助かります、それじゃぁ、10箱お願いします)


KY教師の実家と聞かされてやっと店の看板の

KY(木村洋太)の不思議文字の理由もスッキリできた

結婚後に、旦那が店を継いだらしい



待たせてしまうからと、椅子にでも掛けていてと言ってくれたので

遠慮なくそうさせて貰った、暫く歩いてきたし

久しぶりの土道で足も疲れていた



包装をしてもらっている間、目の前の道を、同じ方向へ無造作に走る車をボーッと眺めていた


俺の見てる真ん前で、渋滞で止まり、その中の一台の家族が

ドラマみたいにアットホームな感じで辟易(へきえき)してしまう

そこで丁度よく元、担任から声が掛かった



(あのー。)


(できたんですね、幾らですか?)


俺は店の前に止まるこの家族が気に入らなくて

無駄な会話にならないように喰い気味に言った


(あっ9012円です。。じゃなくて)


(これで、お釣りは結構です)


何か言いたげなのは解っていたけど、一万円をカウンターに置いて

ろくに顔も見ずに、店を出て、何処にも寄らずに、来た道を引き返した


本当は周囲の土地勘も確認しながら

近隣も回ろうと思ったのだけど

母に全て一任することにした






 

 



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