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選んだ所は、土手と土手を川で挟んだ向こう町にある和菓子屋で

小さい頃、粗品で貰うどら焼きと言えばって位、有名な店だった


隣の土手沿いに移ると

上から見る町の風景は昔の物とは違っていた


(五年も経てばな、。[変わらないもの変わるものもあるよな。。)


下降してから五分ほど歩くと目的の店に着き

店構えを見て思ったのは、少し、外装が今風と言うか

何となく懐かしい雰囲気を感じるが

五年前が老舗感が強かったせいなのかもしれない



現代風にリフォームすればこんなものだろう

と納得しておくことにした



(ごめんください。。)


店の中を尋ねても返事がなく、声が木霊するくらい静かで

店員すら居ない。。俺はもう一度 外の看板を見直してみるが

和菓子、壱胡(いちご)屋と 書かれ、確かに営業の札も吊るされている

若干。。不思議な文字もあったが、気にしないでおくことにした


(もしかして、閉店時のままか?)


過疎化の商店街に良くある、閉店セールの看板のまま

何年も放置してある店があるが、ここは それと同様な雰囲気をかもし出している

仕方なく他の店に切り替えようとしたとき

カウンターの奥から、ガタンと音がなり、ようやく店の人間が現れた


(いらっしゃい、ごめんなさいね?)


(。。。。!)


(どうかしました?表情が固まってますよ。)


奥から歩いてきたのは、中学のあのKY婚の元、担任だった

向こうはこっちには気付いてないらしい

数秒、顔を見合わせているが、新規の客に対する、笑顔のままだった


(その、久しぶりに地元に帰ったので、近所へ配る物を買いに来たんですけど)


ニコニコしながら会話をしてる間、心では

同業者と結婚した人間が、なぜ和菓子屋なのかだった

理解できたことは、外装の派手さで、この教師ならと納得する


(でしたら、花畑饅頭なんて良いですよ 定番メニューですから)


メンヘラなのは健在で、花畑は自分の頭だろうと思った。。











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