2-1

一番目の、大罪を体にぶら下げたような男と別れた時も

結構な額を貰っていたし、平凡に暮らしていれば

普通の我慢の範囲内での、ありふれた生活も出来ていたと思う


結局、二人目の有象無象な男とも別れ。。

そして。。



今、現在に至る、何もない平坦の道を

白い色と、細かい傷、泥まみれの田舎臭が漂う車で

五年前の忌まわしき地元に帰省する始末。。



(母さんさ。。また結婚でもすんの?)

と、外の景色を眺めながら聞くと、母も反対の窓に顔向けて


(うーーんもう良いわね、お金も貰ってるし、ゆっくり過ごしてくわ)

悟りを開いたかの様な顔付きで答えた。。恐らく男に対してだろうけど。。


(。。。地元だしね、俺もここではゆっくり過ごすよ)


(アンタまだ若いでしょ?頑張んなさいよ!)


(半年だけだからな、俺は地方に進学するし)



その後の母との会話は、詰まらない田舎の町の描写に対しての

へぇーとか、すごいねとか、のどかだねーとか、時間潰しの質問と相槌になり


20分後、広い土手以外の思いでがない地元町に着くと

立ち話の餌食にならないうちにと、荷物を家に運ぶように母が言った


自分は今後の手続きに、仕事の用があるから、後は頼むと言い残して役所に行ってしまった

俺はさっさとダンボールの中を仕訳し

適当に座れる位のスペースを確保して、家の中を徘徊することにした



売家と言っても割りと新しく、家具も床も新築と変わらないほど

生活感の名残も無かった、おまけに高そうな、家電製品も殆ど手垢すらなく

中には未使用の物までそのまま置いてあり、前の住人の金の使い方が見てとれる


(ふっ。。無計画だな、安けりゃどうでも良いけど)


これで999万で、しかも4LDKの広さもある

生活用品も殆ど揃っていて、こんな優良物件を見つけた母を、ほんのすこし見直した


家の間取りも済んだので近所への挨拶回りの粗品を買いに

昔の記憶でわかる範囲の店に行くことにした





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