第18話 ある鉢合わせの事故
〔…スクナ、あのリーダっておっさんの娘に似ていて、耳長くないか?〕
『そうですね。あれがギルド長であり、副長の妻でありそうですね』
〔…で、勘違いされてない?〕
『されてるでしょうね。見る限り、夫と娘を連れ去られて、怒りで冷静な判断出来ないのでしょう。後ろの者達はギルドの登録されてる"冒険者"で山賊討伐に出て来て森に入る前に私たちに鉢合わせたのでしょうね』
うーん、おっさんに止めてもらうのがいいとは思うのだが。
耳長族、エルフっていうから美しい姿を期待したんだが。
褐色で右頬に深い傷跡が残っており、冒険者から叩き上げってよくわかる。のだが…
「下衆な山賊め!私の旦那と娘に何かあって見ろ、生きている事を後悔させてやる」
おっさんの嫁さんほぼ確定か…
それも、完全に
全く品格無い言動、エルフというより
〔…おっさん。おっさんの嫁さんと思われる者と鉢合わせしたんだが、頭に血が上っていて儂を山賊扱いされてんだけど、頭冷やす為にギルド長のプライドをズタズタにしても良いよね?〕
〈な、何をなさるので?〉
〔部下?の目の前で無理やり稽古つけさせる〕
〈…お手柔らかにお願いします〉
〔じゃあ、合図があるまでまで念話を嫁さんに送らないでほしい。心配するな。大怪我する様な攻撃は控えるよ〕
て事で。許可をもらった事だし、いちごに指令を出そうかな? ついでに護送車の吹き抜けの屋根に鎖帷子を追加しておこう。何があるか分からんし。
〔いちご、あの白い鎧の者と遊んでこい。ただし、身体に当たる攻撃は寸止めして、相手を
といちごは背後に手を伸ばし、手にしたのは、剣の柄と握り部分だけの物。
〔勢い良く振り下して見ろ〕
言われた通り振り下ろすと柄部分の中央から刀身が出て来た。80cmの刀身と言っても楕円形で刃は無い。
所謂、剣に見立てた伸縮性の警棒である。
〔これは刃は無いが、儂特製の合金製だから殺傷性はある、だから手加減はしろよ?。後はこれは突きに向いてないからな。よし、儂をここに置いて、始めろ〕
いちごは、儂をボンネットに下ろし、ゆっくりと白い鎧の女の前に歩き出した。
神の儂が異世界に遭難《おち》て永住する話(仮題 田奈華(たなか) @tanayan1729
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