第16話 ある、やらかした結果に頭を抱える
〔嗚呼、やはりそうなったか…〕
『面影は残ってますが、どう見ても20歳は若返り起こしてますね。あと後ろの男性たちは、先程までのやつれ具合が嘘みたいに、肉体にメリハリが…』
小屋が見える所まで戻ってみると、爺さんの面影ある中年の男性が、爺さんの少女、リノだったか?
を連れて小屋前帰りを待ち侘びていた。
後ろにいる、捕らわれていた者たちも心なしか、肌がツヤツヤで、特に男性陣は骨が浮き出るほど、やつれきっていたのだが、今や筋肉隆々とは行かないまでも、先ほどの干からびた状態とは思えなかった。
何でそうなったか?
勿論、薬のせいだ。10倍薄めたエリクシールの錠剤を服用した爺さん…もう爺さんではないな。_おっさんは分かるが、総合栄養剤の10錠の過剰摂取でこうも見てくれが変わるもんかと。
弁解としては経験上の診断で10錠を服用させたのだが、2、3錠で艶肌の女性陣を見るに、あっちの世界の経験は当てにならないと言う事がわかった。
「おお、帰って来たぞ。天の御使様が帰ってきたぞ」
「おお」
「御使様、ありがたや」
…自分がやらかした結果とは言え。
天の御使と変な誤解を招いている。
いや、天の住人なのはあたってはいるが、
こんな状況は好ましくない。
儂は、この世界の神でも無いのに…
『天の御使っていうのは的を得てますね。黒騎士騎士はヤドク様の眷属ですから。この者の言った通り、"天の御使"の
〔分かってはいるんだ。だが…。いや、いいこれも自分が招いた結果だ。心して、受け入れよう。天の御使となれば、ある程度の"奇跡"を起こしても問題ないよな?〕
『意訳として、「もう自重しない」と聞こえるのですが』
〔自重はするよ。ただ、好きに動くって事だ〕
『…矛盾してますが。ヤドク様が決めたのでしたら、何も言いません。あ、私は実体ありませんから、直接尻拭いは出来ませんので悪しからず』
〔…意訳として、「自由に動くなら自己責任で」と言うことね。でもサポートしてくれるんだろ?〕
『はい、それが私の存在意義です』
〔…本当に頼むよ。儂だけだと、盛大にやらかしそうで怖い〕
『私はアドバイスはしますが、"やらかす神"を止めはしませんよ』
〔いや止めて。しかも今の儂は神では無い〕
『いや神でしょ』
と儂とスクナの口論をモノともせず、いちごは小屋に向かうのであった。
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