第11話 ある山賊のアジトにて
目的地のアジトである山小屋が見えるところで息を潜める、儂もスクナも息しないですけど。
動くと音がする全身鎧のいちごは離れて待機して貰ってる。
まあゴリ押しで制圧してもいいのだが、捕らわれた者が居た場合、危険にさらす為、隠密行動ができない、いちごは連れて行けない。どうしようか。
『眷属のいちごなら収納できますよ』
え?眷属ってアイテム扱いなの?
『カードの収納機能じゃなく、神の基本の能力ですね。ヤドク様は前の世界の大昔にあった"神の軍団"ってご存知で?』
〔聞いたことがあるが、別の地域の事だったから興味なかった〕
『まあ要点だけ言いますと
"バカの王様が1万の軍を率いて、1人の現地神に闘い挑んで、神の前に突如現れた3万の神の軍団に壊滅させられた"
と言う感じです』
〔…ふむ、つまり神は眷属をなんだかの空間に待機させる事が出来るってわけだな?
で、どうやるんだ?〕
うーん、
"いちごは待機部屋にて待機"
念じると、離れて待機していた、いちごは跡形もなく消えいった。
どう言う待機部屋か分からんが大人しくしててくれ。
『出来ましたね。では作戦はどうしましょうか?』
〔そうだな、さっきの神の軍団の話を聞いて思いついた事をするか〕
と準備にとアジトから少し離れて10kgの純金を創造、そして、神像を分厚く金メッキをする。視界確保出来るかと心配したがなんとかなった。
〔よしこれで儂は上空からアジト前に落ちる〕
『え、怪しまれると思いますが』
〔そのための純金さ。人を脅して金を巻き上げる輩だ。必ずアジト内に儂を持っていくね〕
それじゃあ、作戦決行
アジト前から100m上空
上昇中、金メッキでキラキラ光るからバレると思ったが、そんな事はなかった。
「上空でメッキすれば良かったんじゃ」
………言うな
じゃあ、屋根に堕ち、何かが起きたって分からせますか。
じゃあ落下。
ヒュー…ガンッ‼︎ゴロゴロ
「何が、ぐぇ」
屋根に落ち、屋根を転がって所に地面落ちる所に見張りが出て来て山賊の頭にダイレクトに当たった。ラッキー。
〔ついでに頭部に猛毒針刺ておこう〕
1人処理完了。
『10kg+αの重量が頭部に落ちて陥没してるのに毒針で止めですか…』
「おい、どうした。こ、これは!」
「見張りが倒れているぞ」
「あ、あの金の像は何だ!」
小屋の中からゾロゾロと6人の山賊が出て来た。
〔この小屋の大きさでおっさん6人って…〕
『疚しい考えしてる所悪いのですが、普通に考えて地下に広い空間にがあるのでしょう』
疚しい事考えててねえよ。本当だよ。
「金で頭打って死んだのか。羨ましい野郎だぜ。この像は親分に持っていく。お前らはそのゴミかたずけておけ」
〔仲間をゴミ扱いですか〕
『仲間っていうより手駒という認識じゃないのですか』
〔さらっと怖いこと言うな〕
スクナが言っていた通り小屋は入り口でしか無いみたいだ。イカついおっさんに抱えられ、小屋の中からには地下に続く階段があり、降りるとそこは結構な広さがあり、むさ苦しいおっさんが10人いた。
上の5人合わせると大規模な山賊なのか。
儂を抱えたおっさんは扉の前に着き、
コンコン
扉をノックする。
扉の奥から女性声が複数する。
どちらも啜り泣き、怯え、拒絶
ロクデモナイ部屋か
再度ノックするおっさん。
が待ち人の声もせず時間だけが過ぎて行く。
おっさんは溜息をし、ドアを開け中に入っていく。
その部屋は牢屋部屋らしく。5つの牢屋があり、その中の3部屋は人種の女性、少女、幼女と仕分けられてるみたいで、それぞれの部屋に3〜4人ずつ入って居た。
4つ目の部屋は男性が10人狭い牢屋に押し込められ、飯も碌に上げていないのか、全員痩せ細っている。
そして、5つ目の部屋
「おねがい!お父さんたちを解放して下さい」
少女の懇願と
「うるさい!下民のくせに貴族のオレに指図してんじゃねえ。お前はただオレ様の言う事聞いとけばいいんだ」
青年の罵倒と蔑みが聞こえてくる。
牢屋の中には痩せ細った初老の男1人のみで
拷問されたのかボロボロで見るからに瀕死だった
牢屋の外ではさっきの言い合いしてる男女が居たが、青年が少女を顔を殴り飛ばしたのであろう。少女は地面に突っ伏し、膨れた肩頬を抑えながらも懇願んし続ける。
〔今、自分を貴族って言ってたよな?〕
『言ってましたね』
〔なんでこんな所に居るんだ〕
「もう一度聞く。お前の親父から預かってる鍵を渡せ」
「知りません!何も預かってません!」
鍵って何だ。
「ネセル様」
「!誰の許可で入って来た。ん!それは何だ⁉︎」
「金の像はでございます。この輝くは見たことありません。これを売って、あの方々に根回しすれば、いくら証拠集めようとも、揉み消して貰えるかと」
なるほどね。この貴族も悪なのね
『話を聞く限り、鍵というのは恐らく何だかの罪の証拠が入っている金庫のではないかと』
何の罪か知らないけど
じゃあソロソロ、まあ、この牢屋以外の者はもう刺しましたがね
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