第2話 ある転移装置の内部にて
転移世界が決まり。
転移装置がある地下に移動する。
そこには、複数人の天使と大男がいて、奥には中に人が入れる様に上に扉が開いている、直径5mぐらいの大きさの球体があった。
あの機械で転移するという事なのか?
普通、転移魔法とかだと思ったんだが。
神界でも機械化が進んでいたみたいだ。
一際目立つ大男に目が行く。
あれは…
「彦坊か?」
「ん?おお、薬毒のじっちゃんか」
「久しいな」
彦坊。世襲組の神で、彦坊の祖父母とは、若い時からの付き合いで3世代顔馴染みである。
この男の名前で因んだあだ名では無い。
この男の役職、「金属を司る神」『金山彦神』という役職名に因んだあだ名だ。
下級神は基本、名は無い。土地神の場合に人に親しみを込められ名がつく場合があるが
儂もその口で、人々から『
始祖神の名は役職名になるのが多いと聞いたから、儂の後釜は『薬毒之神』と言う役職名で名乗る事になるだろう。
「また、でかくなったな彦坊」
「薬毒じっちゃんは全然変わらな」
まあ儂の場合、神像が変化した付喪神だからな。
意図的に変化にしない限り青年のマンマだ。
「ん?ここにいるということは彦坊も同じ世界行きなのか?」
「ああ、前々から思ってたんだが、決断できなくてな。今日やっと決断できたよ」
金属加工が確立し、神の専売特許だった。
合金技術が人が取得しちゃったからな。
彦坊は儂と似てる境遇か。
「2人だけか?」
「いや、3人だ。もう1人は中に入っている」
「おう、じゃあ儂らも入っておくか」
「だな」
と球体の中に入ると背に蝶の羽が生えている人物が椅子に膝に顔を隠し座っていた。
「儂は薬と毒を司る神だ。長い付き合いになるかどうか知らぬが同じ世界の神になる同士よろしくたのむ」
隣に座る。彦坊は儂の向かい側に座る
「俺は土と金属を司るだ。よろしくな」
お?土も追加されたか。
儂は最初は薬の神だったのだが、薬と毒は紙一重。長い月日で薬毒の神となった。
彦坊も金属。つまり、土と鉱石は紙一重であり、経験を積み2つを司る神になったか。
「……虫の神」
と、か細い声で聞こえて来た。
虫の神、この世界の虫への考え方は害虫でしか無い。蜂とかの益虫はナノマシンで代用でしているし、「手付かず自然」は存在せず。「管理された工場の中の自然」と言う生産性がある植物と
昔は、"自然保護区"と言うものが存在していたが結局、人が無くしてしまった。
人に害がある物は真っ先に完全抹殺されていった。
虫の神にとってこの世界は地獄でしか無い。
世界転移してもまた同じ事が起きないとは言えない。
『神』は種族でもあり、職種でもある。
『神』にならなくても、神の補佐役、天使という道もある。
それは下級以上の神であれば誰もが知っている事だ。
…辛い思いしてもまだ、それでも神をやり続けるのか?
いや、これは本人が決める事だ。
「…まあ、辛いことあったら話は聞いてやる。畑違いの神だが、話しを聞くだけはできるからさ」
「薬毒じっちゃんは俺の前任の話し相手だったから。グチをこぼしてもタダだ」
嗚呼、前任の『金山彦神』は相当グチっぽかったからな。酒が入った時は特に、……あれ以上な愚痴はそうそう無いだろう。
「では、出発いたしますので、これをどうぞ」
遠い目をしていると、外の天使が出発の合図と掌大ぐらいの端末を一人一人に渡して来た。
「これは?」
「この世界の手土産です。この端末に血液を垂らすと帰属され、自分以外の物に操作されないようになります。この端末は様々な神を手助けする情報と必要品を保存する機能があります」
「ほー、それは便利だ。だが儂は神像の付喪神だから血液は無理だぞ」
「あ、でしたら、ここで親指を当て、親指から端末に流す様に神力を込めてください。
あほかの皆さんは大丈夫ですか?針入ります?」
「必要ない」
「…ない」
と彦坊は親指の先を嚙みちぎり押し付ける。
おお、血判か。久しぶりに見たわ。
虫の神は羽で端末を持ち、鱗粉を端末に降り注ぐ。あの羽、器用すぎる。
早速、わしも端末に親指を押し込め神力を流す。すると、端末の画面状に『神の登録完了』と出てキラキラと消えていった。
他の2人の端末も消えていったみたいだ。
「登録完了したみたいですね。では端末を出して見ましょうか。端末を持っている様な意識して『いでよ』と唱えてください」
言われた通り唱えるとさっきの端末より小さい
端末っていうよりカードっていう方が正しいか。カードには『Now Loading…』と表示している。
「この端末は、異世界についた頃に初期起動完了されると思います。とても役に立つ物です大切にお使いください。では今から転移装置起動しますので、シートベルト装着ください」
いよいよか。初めての異世界転移。緊張して来た。天使はシートベルト着用を確認すると外に出て、扉が閉まる。暫くすると振動がし始め、次第に大きくなって__
__ここから先記憶が途切れている
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