第1話 ある神を必要としない八百万の神々が住まう世界の天界にて
『ピーンポーン』
『番号札8674番をお持ちの方、89号室にお越しください』
「あっ、儂か」
席を立ち、89号室にに向う。
89号室のドアノブに番号札をかざすとガチャとドアが開き、中に入ると閉まる。
中は白い空間で、あるのは机と椅子だけで、
机の奥に女性が座っていた。
「お待ちしてました。どうぞお掛けください。私は天使の89号案内人です。えーっと…薬と毒の神…。うわ、始祖神じゃない…階級も後もう少しで上級神に手が届きそうじゃないですか。えっとそんなお方が今日はどう言った件で此処に?」
天使は儂に椅子に座るように促し、手持ちの資料を読み漁り、儂の経歴を調べる。
『神』とは種族にも似た物で、親が神なら子も孫も神であり、親の何だかの『司る能力』は遺伝せず、生まれて数年後に、各担当の神が顕現させる場合と、
儂の様に、この世界の人間達の信仰で創られた『神』。始まりの神『始祖神』と言われて下級神より莫大な神力が蓄えていることが多い。
神の階級は、土地神、下級神、上級神、最上級神と高くなる。
力関係は、
2世代以降の下級神<土地神<上級神≦土地神生まれの下級神<最上級神となる。
土地神は下界に住む神々で、ヒトの信仰心や想いを集約されて出来た物が、自我を目覚めた者の事を言う。
じかに下界の人々の信仰に触れ合えるから、能力が高くても好きで地上に残る神もいる。『現地神』といわれてる。儂も土地神として生まれた。
下級神は、同じ能力を持つ土地神の長役で、
基本的には天界に住み、土地神からの情報を整理し上に上げる事を主のしている。たまに起きるトラブルを沈静化し調整するのも下級審の仕事
世襲の神々は基本この地位から始まる。
上級神は1つの世界の管理人の1人として管理を任される、世界を総括している者達を、『世界神』と言われる。因みに1つの世界に3〜10柱の上級神がいると言われる
最上級神は世界を創造し影響与える者『創造神』と言われる。勿論世界に1柱、この位の神は何人いるかさなかではない。
「いや、上級神になる気はないからどうでもいいが。もうこの世界では役目が無くなったから、他の世界で頑張ろうかと」
儂が生まれた世界の現状は科学と魔法で発展していて、薬と毒はこの地の人々の失敗と努力で成分表のマニュアル化され、簡単に製薬できる様になった。まあ猛毒薬の使い方は頂けないが
薬だけでは無い。あの世界の人達はもう土地神、下級神を必要としない段階まで来たのだ。なら儂らは人々を褒め称え、必要とされる世界に転移するだけだ。
儂が今いる施設は"転職"ならぬ"転界"相談施設であり、最上級神の管轄で上級神に関与出来ないから安心である。
いやまあ、直属の上級神はこんな事で怒らないとと弁明しておく。後、転界許可証と推薦状も描いてくれまし、最上級神様の太鼓判付きで。
「創造神の許可証と推薦状も有りますし、問題ないでしょう。ではご希望の世界観は有りますか?」
「あー、そうですね」
そして、儂は希望要望を口にした。
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