第二話 覚悟

これは手術も終えて退院の三日後の出来事


いつもの様に待合室でお見舞いの順番待ちをしている時だった


そこに、ふらっと歩いてやってきたお爺さんが

肩に猫を乗せたまま 紐で繋げて連れてきた


通い詰めて初めてみる人だった

軽く会釈をして席を空けた


猫は肩に乗ったままこちらを見ていて、とても人懐こい性格で

そのまま大人しく座っている


暫くして、診察室から先生が出てきて

お爺さんと猫に声をかけた


(あらー今日はどの子ですか?)


お爺さんが、名前を言うと先生は

じゃーいつもので?と、言うと


お爺さんは親しげに、(うんそうそう)と受け答えをしている


医師は用意するんで待っててくださいと言ってまた診察室に入っていった



そして、猫がそのお爺さんと私との、会話のきっかけを作ってくれた

隣に座っていた私に猫が手を差し出してきて、臭いを嗅いでくる

その時に着ていた服は、おこげを繰るんで病院に持ってきた時の物だった


お爺さんがすみませんと言った所で


私は質問をした


(偉いですね?ちゃんと座っていて)


そう聞くと、(小さな時から乗ってるからねー)と返してくれた


私は一つ知りたいことがあった


(あの、やっぱり猫はお家で飼うものですか?)

そう聞くと、お爺さんは散歩の時以外は 家だねと答えた

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