第4話 依存症
手洗いから出て口を濯いで戻った時には、もう次の依頼者が話しを始めていた。今度はどうやら御婦人のようだった。
「…で、奥さん、相談したい事は結局なんなのかね?そのような行為に依存してしまうことなのか、それとも幅広くお相手を見つけることなのか…」
流石に御婦人あいてだからだろうか、伊之助の言葉も何時になく丁重に見受けられた。それにしても色々と難しそうな話のようだ。
「お恥ずかしい話しなのですが、後者の方なのです。依存の方は家事も手付かずの有り様だったので、結果的に協議離婚とゆう形で一先ず…夫とは昨年から別居中でしたが年末にはっきりと………」
重い内容を淡々と語る御婦人。
「ならばそう問題もありますまい、帝国には合法的に其れを斡旋する職業もあるのですから、欲求不…、こほん!…相手に不自由することなく、生活の糧にもなるわけですからな」
「まあ、そのようなお仕事が?」
「なんなら、儂が紹介しましょうか?なに、友人の知り合いではありますが、其処の店の女将を」
「そうゆうお話しならば、是非にもお願いしたいです」
嬉しそうな返事が御婦人の口元から溢れでる。
「ただしその前に一つだけ…言いにくい話しではありますが事前に専門家による診療を受けて貰いますが…」
「…と言いますと?」
途端に不満げになる御婦人。
不満?不安ではなくて?と思わず私は思ってしまった。
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