2.狂犬の苦悩

 

 屋敷の中はあわただしかった。屋敷の外では、平静を装ってはいたものの、内部では煌々と灯りがたかれ、ラゲイラの雇った兵士たちがあちらこちらに駆け回る。その様子は真夜中とは思えないほどだ。

 そんな忙しい屋敷の中を、のそのそと歩き出していたのはべガードだった。そうそうに気絶していた彼は、逆にそのために大した怪我もなく混乱もしていなかった。彼が目を覚ましたころには、すでに侵入者の痕跡は片付けられており、彼は何食わぬ顔で任務に戻ったものだ。

 そうして、いつものように偉そうに廊下を歩いていたところ、ふと一人だけ、先ほどの襲撃から立ち直れていない男が座り込んでいたのを見つけた

 ベガードは、思わずにやりとした。

 その男はほかでもないジャッキールであったからだ。宿敵といって差し支えない男が、そのような見たこともない様子で座っているのをみて、彼の心の中には、なんともいえない愉快さがこみ上げてきた。

 本来、ジャッキールは指揮をしなければならない立場だ。あの彼が役目を忘れてぼんやりしているのだから、相当落ち込んでいるのか何かなのだろう。

「どうした。見事に逃がしたそうじゃねえか! おまけに相手に情けまでかけられたってな?」

 べガードは、実は彼がどういう負け方をしたのか部下から聞いて知っている。ジャッキールを快く思わないものは多いので、そうした連中からすぐに報告を受けたのだ。べガードも相当情けない負け方をしたわけだが、彼はそれを棚に上げて、ここぞとばかりに強い口調で言った。

 ジャッキールは返事をしなかった。心ここにあらずといった様子で、虚空を見つめているように見える。べガードは、それを鼻で笑った。

「とうとう、本格的にイっちまったか? まぁ、お前は元からイカレてるんだから、別におかしなことじゃねえか」

 ベガードがそういっても仕方がない様子ではあった。べガードに散々からかわれても、彼は視線すら向けないのだ。

「どうやらその様子じゃ、追跡の部隊にも入れてもらえなかったんだな。そういや、この計画の指揮官、外されたんじゃねえかって噂で聞いたぜ。まー、お前みたいなイカレた野郎じゃそれも仕方がないか」

 嘲笑うベガードの声にまじって、数人が同調して笑っているのが聞こえた。いつの間にか、べガードの取り巻きが集まってきている。普段は恐ろしいジャッキールだが、今の彼なら勝てそうだ。恐ろしくもない。口々に彼を嘲笑する男たちに乗せられる形で、べガードは手を出した。

「ほら、どけよ。こんなところにいたら邪魔だろうが」

 ベガードが思い切り突き飛ばしてやろうと、ジャッキールの肩にふれようとしたとき。しかし、いきなりジャッキールの手が鋭く彼の手を弾いた。

「気安く触るな!」

 ジャッキールは、弾かれたように立ち上がり、前髪の間から、殺気に輝く瞳をベガードに向けた。

「殺すぞ……!」

 ジャッキールの瞳は、獣のようにギラギラと輝いていた。

「な、何だ……」

 ジャッキールは、手元に武器をもっていない。それでも凄まれてベガードは、思わずぞっとして、ざっと後ずさった。

「何とでも言え……!」

 ジャッキールはそう言い捨てると、ふらふらと歩きだした。いつもきびきびとした動作の彼の祖yの様子は、明らかに不自然だった。

「チッ、とうとう本気で壊れちまいやがった……」

 ベガードはそう毒づいて、冷や汗をぬぐった。

「でも、アレじゃあまるで幽霊だな。……死にぞこないが、死ねずにさまよってるみたいだぜ」

 そういって、ベガードは聞こえよがしに笑い声を上げた。取り巻き達がそれに続いて笑い声をあげた。

 そんな嘲笑に送られながら、ジャッキールは、灯火のない屋敷の奥へとふらふらと歩いていった。

(なぜだ……)

 アズラーッド・カルバーン、あの男は、どうして自分を殺さなかったのか。

(あそこで殺してくれれば、俺も楽になれたのに……)

 いっそのこと、そのまま殺してくれたほうがよかった。

 べガードが幽霊といったのもまんざら間違いではない。自分はどうせすでに死んだも同然の身であり、元々は死に場所を探して戦場を回っていたような男だった。生き延びるたびに、こんな屈辱を味わわさせられるとは本当にひどい話だ。

 ジャッキールは足を引きずるようにして、無意識に客間のひとつに倒れこむように入り込んでいた。侵入者を探していたのか、部屋には灯りが弱弱しく灯されていた。

 なぜ自分がそこにたどり着いたのかわからないが、人が少ない上によく知る部屋の一つだったからだろう。

 しかし、彼はすっかり忘れていたが、この部屋は鏡の間だこの時代最新の技術で、もっともすばらしい映りの姿見があり、ラゲイラの自慢の品でもあった。

 それが突然闇の中から現れた自分を映し出していた。確かにべガードの言うように、死人か幽霊のようで、ジャッキールは自分の姿に自嘲した。

「はは、……遊びの剣か、あの小僧」

 ジャッキールは、無意識にそんなことをぽつりとつぶやいた。

 そう、遊びの剣だ。

 シャーに先ほどそれを指摘されたとき、彼が思わず逆上してしまったのは自覚があったからに他ならない。

 そして、それが敗北の原因だったのだ。

 自分の心に原因があると知ったとき、ジャッキールは自決でもしたい気持ちになっていた。しかし、それで死んで済むような話ではない。何が自分の堕落の原因かを探らなければならない。

 ジャッキールは、鏡を覗き込んだ。そうすれば、鏡に映った自分の瞳の奥に、自分の心が映りこむような気がしたのだ。

 久しぶりにみた顔は、以前とずいぶん変わっているようだった。

 特別老け込んだ印象もないが、長い髪の毛を束ねた姿は、以前とはずいぶん違って見えた。鬱蒼とした暗い雰囲気は相変わらずかもしれないが、髪の毛を伸ばしてゆるくくくっているのは、以前の彼を知るものが見れば別人と思うほどだろう。どこか崩れた退廃的な気配が漂っていた。

 髪を伸ばしたのは、ジャッキールなりに、風貌を変えなければならない事情があったからである。ラゲイラに雇われる前、ジャッキールは隣国の揉め事に巻き込まれ、刺客を差し向けられていた。それで瀕死の重傷を負ったところを助けてくれたのがラゲイラ卿だった。

 ラゲイラは、もちろん彼の力を利用しようと考えて、彼を助けたに他ならなかった。しかし、存外に紳士的なラゲイラとジャッキールは、どこか気が合うところがあり、まるで年の離れた友人のような付き合いをすることもあった。ジャッキールは、彼に助けられた恩義もあり、ラゲイラの護衛を務める為に、ここで客分として飼われることになった。

 それは彼にとっては退屈でもあったが、満たされた生活でもあった。

 ラゲイラが、やがて国家転覆を目論んでいることには感づいていた。そうした陰謀への協力に対して彼は消極的な態度をとっていたが、一方で、ラゲイラから囁かれる甘い言葉にはかすかな期待を抱いていた。

「もし、私の思う方が王位を継いだなら、ぜひ貴方には将軍に……」

 軍人として人の上に立つことは、彼にはある意味では悲願であった。退屈であるが満たされた定住生活の上に、彼はそんなあこがれた身分を手に入れることすらできるかもしれない。

 そんなことは夢幻に他ならないとどこか冷めた気持ちで考えていた。しかし、その話が潰れようとしていることを直前に聞かされた彼は、明らかに失望してしまっていた。

 そこに飛び込んできたあのシャー=ルギィズ。彼の知る青兜将軍アズラーッド・カルバーンの存在は、彼の失望した心にかすかに火をつけるものだった。

 退屈でたまらないこの生活、かすかな希望すら奪われたこの生活。そこに稲妻のように飛び込んできた彼の存在は、ジャッキールにとって特別なものだった。

 なぜなら、彼は青兜将軍アズラーッド・カルバーンのことを”よく”知っているからだ。

 あの砂漠の黄色の大地で青く輝いていた、美しい生き物であった彼のことを。そして、彼もまたその男に魅せられた一人だったがゆえに。

(俺は……自分の意思で手を抜いた)

 ジャッキールは首を振った。失望を紛らわせるために、飲酒した上で勝負に持ち込んだのもそうだが、実は彼は戦いを長引かせるために最初から全力で彼を襲うことはなったのだ。

(俺は、確かに……遊んでいた)

 シャーに言われたとおりだった。

 あの時の自分の剣は遊びの剣だ。本気でやっていたわけではない。

 本当に彼を殺すつもりがあるのなら、そして、本当に彼を止めるつもりがあるのなら、彼は明らかにしなければならないことがある。

 彼は、それほどに青兜将軍アズラーッド・カルバーンを知っている。このことは、ラゲイラにすら告げていない。そして、ラゲイラもそのことを知らない。

 しかし、そのことを告げてしまっては、彼と勝負にならないのだ。遊びではすまない。すぐに殺すように求められ、彼との勝負を楽しむことができないだろう。

 だから、彼はその事実を黙っていた。恩義あるラゲイラに隠してまで、彼との戦闘は価値のあるものだったのだ。

 それを遊びといわれればそれまでだ。

 ――そうだ、あの時、奴を殺すつもりが俺にはなかった。

 ジャッキールは目を伏せて苦笑した。

 しかし、そんな程度で負けるような彼でもない。剣の腕と修羅場の数だけでいえば、おそらく彼の方が上だった。それなのになぜああたやすく負け、剣を折られたのか。

 剣がなまくらだったというのは実は違う。手入れだって怠ったことはない。

 しかし、剣を折って、形勢が逆転しそうになった瞬間、ジャッキールは普段と違う反応を明らかに示してしまった。

 剣を折っても短剣で立ち向かえばいいだけのことだ。彼は短剣を腰に帯びていた。それなのに無抵抗のままになったのは、彼が恐怖していたからに他ならない。

 死を、というのは違う。

 ――一体何を?

 ジャッキールは、鏡の自分を見やる。冷たい空気の奥底で、長髪の男が愕然とこちらを見ていた。

(俺は、ここで、安心してしまっていたのか?)

 あのときに、自分は一体何を恐怖したのか。ジャッキールはようやくその答えを見つけた気がした。

(俺は、……負けてラゲイラの信任を失うことが怖かったのか……? 本当は、俺はここで安寧をむさぼりたかっただけなのか?)

 ジャッキールは、手袋を嵌めた両手を広げた。指先が引きつるように痙攣していた。 

 この両手は、かつて自分の血を無駄に浴びた。自分は組織のために自ら覚悟して身を捨てたつもりが、結局裏切られたのだ。幸か不幸か生き延びた彼に、その代償として残ったのは、傷跡と蹂躙された心だけだった。その後、ジャッキールは、組織というものを信用するのをやめた。

 だというのに、一体この「体たらく」はどういうことだ。ここにいついて、やがて将軍の地位を約束されるほどに彼の信頼を得て、部下から畏怖されることに、ジャッキールは満足していたのではないか。

 ここに、もしかして自分は勝手に安住の地を見つけてしまったのだろうか。この居心地のいい夜の闇の中、自分は強さに驕り、ここの境遇に甘えたのではないか。

 それが故の遊びの剣。

 出世の芽がなくなりそうで不安になり、そして見つけたかつての獲物を弄ぶことで、愉悦を得ようとしただけの。

 そのエモノであるあの青兜将軍アズラーッド・カルバーンは、遊びで殺せるような男ではないというのに……。

 ジャッキールはしばらく鏡を見つめていた。

 それがジャッキールの思い込みなのか、真実なのかはわからない。ただ、彼には、そんな事実がひどく悲しく思えただけで十分なことだった。

 ジャッキールは、ふと思い立ったように、腰にさげてあった短剣を抜いた。鏡の前に光る冷たい刃物の光は、失ったかつての心を呼び覚ましてくれそうだった。

 彼は刃を首の後ろに持って行った。



「そういえば、ジャッキールさんが負けたんだってな」

 廊下を二人組で見回りをしていた兵士が、もう一人に言った。なにやらべガードと取り巻き達が大声で笑いながら通りすがったばかりだ。別に彼らに同調するわけではないが、あの恐ろしいジャッキールが負けたということは彼らにとっては大きな驚きだ。

「らしいな。……てことは、相手が相当強いってことだろうぜ」

「だな。あんなことがあったばかりだ。意外にラゲイラ卿の行動ははやいかもしれないぜ。抜け目ない男だからな」

 ああ、と兵士は相方の言葉にうなずいた。

「どこに回されるかわからねえが、一応身の振り方考えとかねえとな」

 と、彼らはふと何者かの気配を感じて立ち止まった。角の暗い闇のほうから、足音がするのだ。しかも、軍靴を踏み鳴らすような甲高い音が。

「誰だ!」

 彼らはめいめいの武器に反射的に手を伸ばした。そのとき、ふらりと人影が姿を現した。

 ぬっと出てきたのは、見覚えのない短髪の蒼白の顔色の男だった。

 端正で冷たい顔立ちに、鋭い目が光っていた。陰気な風貌ではあるが、その角ばった挙動ひとつとっても、武官特有の清冽な潔癖さが漂う男だ。

「貴様ら、何をしている?」

 そう聞かれて、思わず彼らは息を呑む。

「い、いえ、見回りを」

 威圧的な口調と風貌だったので、思わず丁寧に答えた。

 目の前の男に見覚えがないので、当然誰だかわからない。だが、この挙動や態度、高圧的で高飛車な物言いを見れば、それなりの地位にある人物なのだろう。しかし、本当に見覚えがないのだ。思わず、どうしようとお互い目をあわせそうになったが、そのとき、そうかと男の方が納得して頷いた。

「今夜は何事もおこらぬかもしれんが、念のためにな。役目ご苦労」

 彼はそういうと、ずいぶんあっさりと下がっていった。そのまま、長身を揺らせて、すたすたと歩き去っていく。

「……い、今の、誰だ?」

「さ、さあ……、で、でも、上官じゃねえ?」

 確かに上官らしい。しかし、彼らもあの声に聞き覚えがあったのだ。いや、もう少し暗くて鬱蒼とした印象があったような気がする。

「ちょっと待てよ。あの声は……」

「ま、まさか、ジャッキールさん?」

 そういわれれば、そうかもしれない。

 だが、前は髪の毛で顔があまり見えなかったので、ずいぶん雰囲気が違うような気がした。なにやらいろいろ削ぎ落したようなすっきりした印象だ。その分、抜き身の剣のような気配も持ち合わせるようにはなっているが。

「い、意外だな。あーいう顔してたんだ」

「ああ、しかし、あの人、思ったより若かったんだな」

 しかし、何だって今更、髪を切ったのか。しかも随分ばっさりといったものだ。いったいそれにどういう意味があるのだろう。

 彼らは、怒られないようにしながらも、好奇心のおもむくまま、そっとジャッキールの背中を見送っていた。

 ジャッキールは、そんな視線を気にする暇もなく、ただすたすたと歩いていった。彼の向かう先は、この屋敷の主人がいるはずの場所である。

 ラゲイラの寝所の近くまで来ると、女の召使がまだ起きている。ラゲイラ本人もあわただしく動いているので、何か言いつけられているのだろう。おそらく、ラゲイラもまだ眠っていない。

 ジャッキールは、彼女に近づいていった。彼に気づいて、少し身構える召使に、彼は丁重な言葉遣いでこう言った。

「夜分にすまぬが、ラゲイラ卿にお目通りしたい。非礼は承知の上なのだが、至急伝えたいことがある」

「ど、どなたでしょう……」

 召使の女は、ぎくりとしたように彼を見た。彼の顔は知っているはずだったが、それほど印象が違うのか、彼女はジャッキールを見間違えたらしかった。

「ああ、このナリでは仕方がないか。ジャッキールがきたと伝えていただきたいのだが」

「ジャッキールさま?」

 彼がそういうと、彼女は目をしばたかせてジャッキールを見上げた。相変わらず不気味で恐ろしい男だが、間近で見ると存外に整った顔をしているし、元気のない彼は随分紳士的だ。

「は、はい。……か、かしこまりました」

 召使は彼の変化に驚きながらも、一礼して向こうのほうに歩いていく。

 ジャッキールはしばらくそこでたたずんで待っていた。

(ラゲイラ卿は、今更俺の言葉を受け入れるだろうか)

 彼はそう考えていた。

(もし受け入れて俺がこのことを明かせば、俺はラゲイラに一生仕えることになる。しかし、逆なら――?)

 しかし、彼が予想していた以上に、彼女は早く彼の前に戻ってきた。そして、その顔が少しこわばっているのを見て、ジャッキールは予想通りの様子にため息を静かについた。

「申し訳ありません、ジャッキール様。ラゲイラ様は、現在忙しくされておりまして、あなたとお話をするお時間がないとのことです。あなたには大変申し訳ないとおっしゃられておりましたが、その」

 主人からの言葉を伝え、彼女はジャッキールのほうをおびえながら見やった。

 もしかしたらジャッキールが怒り出すのではないかと思い、彼女は身をかたくしていたが、ジャッキールの目に浮かんでいるのは、軽い失望だけだった。

「……そうか。お忙しいのだろう。ならば、仕方がない」

 ジャッキールは、もう一度ため息をついて目を伏せ、思い立ったように顔を上げた。

「では、ラゲイラ卿にこうお伝え願おう。……事がすみ、私が戻らねば、そのときは死んだと思っていただきたい、と」

「え……」

 いきなりそんなことを告げられ、彼女は驚いたが、ジャッキールは続けた。

「戻らぬときは死んだと思っていただきたいと……。そういう覚悟であるというように伝えてもらいたい」

 ジャッキールはそういうと、懐から銀貨を何枚か出して、召使の手に握らせた。予想以上に多い硬貨と、恐いことで有名なジャッキールの殊勝な態度に、彼女は驚きながらこくりとうなずいて早足で去った。

 ジャッキールは黙ってマントを翻して、来た道を戻った。

 冷たい空気が、肌を刺すようだ。

 ラゲイラが会うのを拒否したということは、自分は、暗殺計画の中心には入らないのだろう。

(……俺のここでの役目は終わったな)

 ジャッキールはそう確信した。

(いいや、これでよかったのだ)

 ジャッキールは唇を噛みながらそう思った。

(俺は、最初から権力闘争にはかかわらないという約束だったはずだ。……だとしたら、俺は、それを言うべきではない。もはや、”あのこと”は誰の耳にも入れるまい)

 そう、自分の役目は実地で戦うことだけだ。作戦を投げかけることではない。その本分さえまっとうすればいいだけの話だ。

 ジャッキールは自分を戒めるように、こぶしを握った。

「俺が、一人で奴を殺せば済むことだ」

 ジャッキールは静かにだが、はっきりとそういった。暗い闇の中、白い顔に壁の灯火の光を浴びて、瞳が赤く見えていた。

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