第二章 なぜ幽霊の噂が流れるのか?

「ねえねえ、知ってる?」

「何が?」

「ほら、あの噂よ」

「何?」

「幽霊」

「幽霊?」

「本当に知らないのね。幽霊の噂。出るって言うじゃない」

「出るの?」

「噂よ。図書棟の」

「わたしよく利用してるよ」

「夜中よ」




「ねえねえ、知ってる?」

「知ってる。何を?」

「幽霊の噂」

「図書棟の?」

「そうそう。誰もいない真っ暗な棚の間を」

「血だらけのセーラー服をきた少女が」

「白装束の少女よ」

「そうなの?」

「そうなの。とにかく、少女の幽霊」

「怖いわ」

「歩き回ってるんでしょ?」




「ねえねえ、知ってる?」

「知ってる。怖いわ」

「幽霊が出るなんで、もう利用できない」

「本当。わたし、今度の課題で本を借りなきゃいけないのに」

「その本は幽霊が読んだかもしれないわ」

「やめてよ。本当に利用できなくなっちゃう」

「わたしだって怖いわ」

「一体どうして図書棟に出るんだろう」




「ねえねえ、知ってる?」

「図書棟の幽霊の話?」

「そうそう。少女の幽霊」

「高校生くらいって聞いたけど」

「幽霊の?」

「噂よ、噂」

「とにかく、図書棟に幽霊が出るのは間違いないわ」

「うん。わたし、先生にも聞いてみたの」

「否定してた?」

「先生が学生のころから、噂があったんだって」

「じゃぁ本物だぁ」

「怖いわ」

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