三国夢幻演義 龍の少年

作者 光月ユリシ

10

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★★★ Excellent!!!

三国志好きで、何か面白そうな三国志小説はないかな?と探していたところ、タイトルに惹かれて、読ませていただきました。

「三国志」の後半の主人公・諸葛亮を主人公に据え、仙術などのファンタジー要素を交えた歴史絵巻です。

諸葛亮の「三国志演義」や、その他様々な三国志作品での活躍は、有名な三顧の礼からですが、本作は、世に出る前の少年時代にスポットライトをあて、諸葛亮とその家族の疎開の旅に、青龍シャクと呼ばれる不可視の力を持つ宝を巡った争いを絡め、良質な三国志ファンタジーを創作しています。

青龍シャクの持つ不思議な力は、魔法のように全てを解決出来るわけでも、必要なときにすぐに使えるわけでもありませんが、ファンタジーといえども簡単にいかない所が、安っぽくなく、あくまでも三国時代を舞台にしたファンタジーという風格があります。

また、旅の先々で、少年諸葛亮が三国志のビックネームと邂逅しますが、なぜこの人物がここにいるのか?と疑問や矛盾が生じないように、時系列などがしっかりと把握されていました。

ファンタジー要素も同様に、不自然にねじ込んだ様なところがまったくありません。歴史上の戦いや、登場人物の背景、様々な勢力の事情を理解し、あるいはしっかりと設定しているからできるのだと思います。

一口に三国志ファンと言っても、好みは様々ですが、この作品なら、ファンタジー要素入りが好きな人も、ガッツリ時代劇風が好きな人も、致命や人物名を聞いただけで、直ぐに解説が出来てしまうようなガチファンな人も、楽しめる作品だと思います。

龍の少年の物語はここで完結ですが、続きにあたる、龍の青年の物語もあるようなので、ぜひ読みたいと思います。