クリバー学園の怪談12
ここで少し状況を整理しておこう。
まず、トロンとリャンピンが旧校舎に入り、肝試しを開始した。
次にムチャとレオが旧校舎に入り、ヨチと遭遇して逃走し、離れ離れになる。
ムチャとレオがヨチと遭遇した頃、ハリーノとエスペリアも旧校舎に入る。そしてハリーノはいきなりエスペリアに黒焦げにされる。
その少し後、トロンとリャンピンは最上階である四階を探索中に保管庫を見つけ、トロンの魔法で鍵を開けて中に入った。そして保管庫の鍵が開けられた事を察知して現れたヨチと会い、リャンピンがニャンピンへと変貌してしまう。
ハリーノがエスペリアを「エリー」と呼ぶ。
その数分後、ヨチに驚き四階まで逃げて来たムチャが、レオを探す途中で、扉の開いていた保管庫に入り、望遠鏡を覗き込み意識を失う。
ムチャが意識を失った頃、レオが三階のトイレでニャンピンと遭遇し、股間を引っ掻かれる。
更に数分後、レオがリャンピンのお団子に触れようとして、顔面を引っ掻かれる。
旧校舎内で起こった事を時系列順に並べるとこの様な感じだ。この間僅か三十分程しか経過していない。
そして、旧校舎内では四組に分かれており、ただでさえややこしいのにも関わらず、旧校舎の前には新たなペアが現れる。
「旧校舎ってここだよね?」
「ひぁぁぁぁ……ニパちゃん帰ろうよぉ」
それは、ムチャがリャンピンを肝試しに誘うのを密かに聞いていたニパと、ニパに半ば強引に連れてこられたマリーナであった。
ニパはマリーナとリャンピンは肝試しに誘われたのに、自分は誘われなかった事をちょっとだけ不満に思っていたので、マリーナを連れて勝手に参加する事にしたのだ。
「怖いよぉぉぉ」
怖がりなマリーナにとってニパのお誘いは正直迷惑であったが、ニパを一人で行かせるのも危ないと思い、勇気を振り絞ってついてきたのだ。マリーナは杖に灯をともしながらも、ニパのローブの袖にしがみつき、気の毒になる程ブルブルと震えている。
「大丈夫大丈夫、中にリャンピン先輩達がいるんだから」
「ででででもぉ、ここ幽霊が出るって有名なんだよぉ」
「本当!? 会えるかどうか楽しみだね!」
「楽しくないよぉ……」
「さぁ、レッツゴー!」
この二人、非常に気が合うのだが、性格は正反対である。ニパはマリーナを引きずるようにして、旧校舎の中へと入って行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます