クリバー学園の怪談3
「なんっでこの三人なんだよ!」
その日の夜、旧校舎の前に集まった面々を見てレオは地団駄を踏む。
レオとハリーノとムチャの前には、リャンピンとエスペリアとトロンといういつもの三人組が並んでいた。
「女子三人揃えたって言っただろ」
そう悪びれずに言うムチャを、レオはジトーッとした目で睨みつける。ムチャはマリーナが肝試しには来てくれそうにも無かったので、代わりにリャンピンを肝試しに誘い、ついでに人数を揃えてくれるように頼んだのだ。
リャンピンは「面白そう!」と言って参加を了承してくれたのであるが、リャンピンが女子面子を揃えるとなれば、この面子が揃うのは必然ではあった。
「確かに女子三人だけど……もっとこう、あるだろ?」
ムチャにひそひそと不満を漏らすレオを、リャンピンは冷ややかな目で見つめながら言った。
「何? 変態一号さん? 私達だと何か不満でもあるの? 別にいいわよ。あんただけ帰っても」
「いや、不満っていうか……ちょっと約束と違ったっていうか……」
「どうせ女の子達を暗がりに連れ込んで変な事しようとしたんでしょう? 私達に何かしようとしたらこうだからね」
リャンピンは足元に落ちていた小さな二つの石を拾い、グシャリと粉々に握り潰した。レオはそれが何を意味しているのかを理解し、ブルリと身を震わせる。
一方、レオとは対照的にハリーノは、鼻息を荒くしてエスペリアに熱視線を送っていた。
レオは面子に不満なようだが、どうやらハリーノにとってはエスペリアが来てくれた事は幸いであるらしい。エスペリアは腕を組み、そっぽを向いているが、その肌にはビリビリとハリーノの視線を感じていた。
そしてトロンは、いつも通り何を考えているかよくわからない表情でボーッとしている。実はこれといって怖いものの無いトロンは、生まれて初めての肝試しに内心ワクワクしていた。
「じゃあ、早速始めましょうか」
リャンピンがそう言って旧校舎の扉へと手を掛けようとすると、レオが「待て待て」と言ってそれを止める。
「何よ?」
「六人で一気に入っても怖く無いだろ。だからジャンケンでペアを決めて、五分おきに二人ずつ入ろう。そして旧校舎の中を自由に探索して出てくるんだ」
「あんたやっぱり変な事する気じゃ無いでしょうね?」
「違うって! せっかくやるんなら怖い方が面白いだろ! ほら、やるぞ! グーチョキパーで……」
こうして、肝試しのペアが決定した。
一組目リャンピン・トロン
二組目レオ・ムチャ
三組目ハリーノ・エスペリア
「なんっでだよ!!!!」
レオはまた地団駄を踏んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます