三馬鹿と合同コンパ2
「うん、いいよ」
翌日、新聞部の部室を訪れた三人の頼みを、ヘンリダは二つ返事で了承してくれた。ただ、対価として三人にあるものを要求した。
「「情報?」」
「そう、何か面白い情報をおくれよ。誰かの秘密とか、まだ広まっていない噂話とかさ」
それを聞いて三人は首をひねる。
「情報……秘密……うーん」
三人の頭には「中等部第一男子寮の秘宝」の秘密がよぎったが、あれは三人の友情の証でもある。簡単に漏らすわけにはいかない。
ふと、レオが思いついたように言った。
「エスペリアのスリーサイズでどうだ?」
「ほう……」
それを聞いてヘンリダが眉をピクリと動かす。
すると、ハリーノがレオをぐいっと引き寄せた。
「ちょっと! その情報どこから!?」
「ほら、この前の温泉の時……」
ハリーノは以前聞いたことのあるレオの能力を忘れていた。レオは幼い頃から弓や投擲武器を嗜んでいたために、標的との距離や大きさを、目測だけで正確に測る能力を身に付けていた。そしてレオはそれを昇華し、目測だけで女子のスリーサイズを測れる能力を身に付けていたのだ。
レオはその能力を「ピンクの魔眼」と名付けた。
制服の上からでは完璧にスリーサイズを導き出すのは難しいが、レオはあの時エスペリアの裸体を確かに見た。その時にちゃっかり正確なスリーサイズまで弾き出していたのだ。
「ふむ、それは素晴らしい。実はエスペリアさんのスリーサイズは謎に包まれていたんだ。彼女は魔弾きのアイテムを身につけているから、スキャンの魔法も効果が無いからね」
「それなら、取引成立だな」
レオはヘンリダの耳に手を当て、ひそひそと囁く。
「ふむ、寄せて上げていると噂があったけど逆に……はぁ、ウエストの方はやっぱり……なるほどなるほど」
ひそひそ話しが終わった後、ヘンリダは実に満足そうに微笑んだ。
「素晴らしい! 素晴らしいよレオ! 久しぶりに思ったよ「知れて良かった」と! 知識とはなんて素晴らしいんだ!」
「そうだろう? じゃあ、コンパの件よろしくな」
レオがポンポンとヘンリダの肩を叩くと、ヘンリダは頷いて一枚の紙を取り出した。
「任せてくれ! では早速、これに記入してくれ」
紙には希望日時や好みのタイプ、学年、性格やスタイルなどの項目が書かれていた。
「全部叶えられるかはわからないけど、できるだけ希望に添えるようにメンバーを集めてみるよ」
三人はそれを見て目を丸くする。
「ヘンリダ、お前凄いんだな……」
こうして、三馬鹿の合同コンパ開催が決定した。
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