パーティーの後2

 ケセラがニヤリと笑う。

「え、お前そんな事わかるの!?」

「わかっちゃうんですよ。何せエリートサキュバス見習いですから。ふむふむ、今回知り合ったのは二人とも歳上の女性ですね。お姉さんと人妻、い〜じゃないですかぁ〜」

「何がいいんだよ」

 ケセラは右手の指を勢い良くパチンと鳴らした。

 すると。


 ポワン


 煙と共にカリンとフロナディアがムチャの目の前に現れた。カリンは真っ赤なチューブトップの水着を、フロナディアは純白でフリルの付いたツーピースの水着を着ている。

 ムチャは驚き、ビーチチェアの上で後ずさった。

「どっちがお好みなんですか?」

「どっち……どっちと言われても」

 ムチャは目の前で次々とポーズを変える二人をジッと見つめた。ムチャは歳上の女性に弱いのだ。

 フロナディアは色白で細身の体にアンバランスな程大きなフカフカなバストが搭載されており、カリンは引き締まった筋肉質な体ながら、母性溢れる豊かな胸が装備されている。二人共ナイスバディで甲乙付けがたい。

「うーむ……」

 真剣に悩んでいるムチャをトロンは冷ややかな目で見ていた。

「私も可愛い水着がいい」

「おっと、これは気が利かずに失礼しました」

 トロンの言葉に、ケセラは謝罪して再びパチンと指を鳴らす。すると、トロンをポワンと煙が包み、水色のシンプルな水着がピンクを基調とした花柄の可愛らしい水着に変わった。

「わぁ、これ可愛い」

 ムチャは、立ち上がって自分の水着をチェックしているトロンをジーッと見た。トロンはフロナディアやカリンのような豊かな胸は無いが、よくよく見るとポテッとした可愛らしいヒップをしている。

「うーむ……」

 ムチャはポヨポヨとしているトロンのお尻をまじまじと見つめた。


 ポヨポヨ


 ポヨポヨ


「ムチャ、目が汚い」

 それに気付いたトロンのビンタがムチャに炸裂した。

 結論、ムチャは案外スケベである。


 その後、ムチャはケセラにパーフェクトムチャトロンを具現化して貰い、あまりの感動に涙を流していた。


 やがて朝が来て、ケセラはいつものようにバッサバッサと西の空へ飛んで行った。

 その日から、ムチャがトロンのお尻を見る事が少しだけ増えたとか増えなかったとか。

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