リング上の四人

 そんな長い長い経緯があり、アレル闘技場のリングの上に四人の男女が立っている。


「正直、すげーびっくりしたよ」

「今日こそ巫女様を寺院へと連れ戻す」

「巫女って呼ばないでってば……」

「あれがナップ様の想い人ですわね」

 四人はそれぞれの武器を構えた。


「マニラ殿、まさか向こうも新人を出してくるとは思いませんでしたね」

 関係者席でリングを見つめるマニラに、関係者の一人が声をかけた。

「そうね。でもあのゴディバドフが送り込んできた刺客ですもの。あの二人只者じゃない筈よ」

「どちらが勝つと思われますか?」

「正直言って全くわからないわ。謎の新人と、毎回予想外の試合展開を見せる芸人コンビ。賭けのオッズもほぼ同等。これほど読めない試合も珍しいわね……」

 マニラの目がギラリと光る。

「それなら、うちの代表を応援するしか無いじゃないの!」

 マニラが身を乗り出した時、司会者が声をあげた。


「それでは、試合開始!」

 それぞれの想いを抱えた四人の戦いが、今、始まる。リング上に歓声が降り注いだ。

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