さらば、コペン幻想劇団
「本日はコペン幻想劇団「少年とグリフォン」にお越し頂き誠にありがとうございま〜す! 私は前座と前説を勤めさせていただくナップでございま〜す! うひょひょひょ」
舞台上では怪しい目をしたナップがちゃらんぽらんな動きをしながら前説をしていた。二枚目顔の滑稽な様子に、客席は笑いに包まれていた。
「前説はすべり芸だと聞いていたが中々面白い芸人じゃないか」
「あはは、変な動きー! なんか魔法にかけられてるみたいだね」
「あれ? チラシにはコンビだって書いてあるのにな」
コペンは舞台裏からその様子を見てニヤリと笑った。
「あやついい芸人になるでし」
一方その頃、ムチャとトロンの二人はコペンが手配した馬車で次の町に向かっていた。
「ねぇ、ムチャ」
「なんだ?」
「昨日は庇ってくれてありがとう」
「いいって事よ。相方がいないと困るだろ」
「それから、私を寺院から連れ出してくれて」
「おう」
ムチャとトロンは馬車の荷台から空を見上げた。
それは透き通るような青空で、二人が旅立ったあの日の空によく似ていた。
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