ゴロツキ達のアジトにて
「何?半獣のガキを取り逃がした?」
そう口にした大男は酒瓶の酒をグビリと飲み干した。
「すいませんゲニルの旦那、えらい強いガキ共が邪魔に入りまして」
「それでおめおめ帰って来たってわけか」
「すいません! すいません旦那! 次こそは絶対に捕らえてみせますから!」
手下は地に頭をつけて謝罪を繰り返す。
「もういい、お前に用はない。ゆっくりと休ませてやろう。ゆっくりとな」
「旦那! どうか命だけは!」
男は覚悟して目をつぶった。
一秒……二秒……三秒
しかし何も起こらない。
「なんだお前、まだいたのか?」
「え?だって旦那……」
「ゆっくり休めと言っただろう。おい、誰か肩を貸してやれ」
「い、いえ、大丈夫です」
ゲニルは部下には優しい男だった。
「しかし俺の邪魔をするやつは許せんな」
「あいつら、ムチャとトロンと名乗っていました」
「ムチャとトロンか、俺の邪魔をするとどうなるか教えてやる」
ゲニルは再び酒瓶に口をつけた。
「ん?もう空か、おい! 誰か酒買ってこい! 釣りは取っておけ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます