ウチの子デスゲーム 其ノ壱


 ふと今まで書いた創作キャラでデスゲームをしてみたらどうなるのかやってみた。

 

 参戦キャラ

 山岡泰知 (シーサイド・フェスティバル)

 若宮隆明 (シーサイド・フェスティバル)

 蒼本圭佑 (シーサイド・フェスティバル)

 スコッチ (世迷いペンギンは荒野を歩く)

 ヨハン (世迷いペンギンは荒野を歩く)

 未南雲優 (小麦粉ヤクザ異世界に行く)

 リーヤ (小麦粉ヤクザ異世界に行く)

 九重祭 (九重祭の京都怪人奇譚)

 鳥山厚 (九重祭の京都怪人奇譚)

 上原宇佐美 (ロボテック・タッチダウン)

 武者小路枦々 (ロボテック・タッチダウン)

 

 

 ――――――――――――――――――――

 

 

 上原宇佐美が目を覚ましたのは学校の教室、その窓際の一番前の席だった。

 

「うぅん……あれ? なんで学校に……あれ!? ここどこ!?」

 

 教室とは言っても知らない教室である。今時珍しい木製の壁と床、天井からは剥き出しの電球が幾つか吊るされており、それが教室全体を薄ぼんやりと照らしていた。

 今自分が座っている机と椅子も木製であり、少し身体を捩るだけでギシギシと唸る。

 

 自分の状況に戸惑っている時、隣の席に突っ伏して座る女子が目を覚ましたようで身体を起こした。

 幸いなことにその娘は知っている人だった。

 

「うん……ここはどこでありやすか」

 

「武者小路さん! 知ってる人いて良かったよ」

 

「しかしここは何処でありやすかね、あっし全然心当たりないんでありやすが」

 

「僕も、自宅で寝てると思ったらこんなとこに。気付いたら学ラン着てるし」

 

「ほんとだ、いつの間にかセーラー服着てるでありやす」

 

「なんかおかしい、僕達以外には……9人いるみたい……いや、8人と1羽」

 

 ざっと見たところ教室にいるのは10人と1羽、そのどれもが学ランかセーラー服を着用している。

 

「ペンギンが……学ラン着てるでありやすね。ていうかウサミンの後ろ! 姉御じゃないですか!」

 

 宇佐美が振り替えると確かに、後ろの席では九重祭が眠っていた。軽く肩を揺らしてみると。

 

「う、うぅん……なぁに?」

 

 寝惚けながらも目覚めてくれた。

 その時宇佐美の胸裏を妙な違和感がはしった。

 

「あれ? 九重さん、だよね?」

 

「そうだけど……あんた誰よ、なんであたしの名前知ってるの」

 

「へ? 上原宇佐美だよ、同じチームの」

 

「チーム? 何言ってんのよあたしの事務所にはあんたなんかいないわ」

 

「え……どういうこと」

 

「姉御姉御! あっしは? あっしのことは覚えてるでありやすよね!」

 

「いや知らないし」

 

 ガーンという効果音が着きそうな程枦々は意気消沈する。そのまま腰が抜けたように糸の切れたマリオネットよろしくな勢いで机にもたれ掛かる。

 

「ひどいでありやす」

 

「一体何が起きてるんだ」

 

「そんなのあたしが知りたいわよ……ほら鳥山も起きなさい」

 

 祭は隣に座る鳥山と呼ぶ男の肩を揺する。鳥山は無言で、ゆっくりと起き上がった。眼鏡の似合うとても美麗な顔つきをした青年だ。

 鳥山はそのまま周りを見渡して一呼吸つき。

 

「……ふむ、お嬢また何かやったんですか?」

 

「寝起き早々あたしのせいにするな! てか鳥山はこいつら知ってる? なんかあたしのこと知ってるみたいなんだけど、これっぽっちもあたしは知らないのよね」

 

「私も知りませんね、とりあえず自己紹介しておきましょう。私は鳥山厚と申します」

 

「上原宇佐美です」

 

「武者小路枦々でありやす」

 

「やはり名前を聞いても思い出せませんね」

 

「あたしも、ひょっとしたら怪奇事件に巻き込まれたのかもしれないわ、ひとまず他の人間も起こしてみましょ」

 

 それについては異存はなかった。

 だがその必要は無かったと書いておく。彼らが起こすより早く、他の人間が目覚め始めたのだ。

 

「うぅぅぅんよく寝たあ……て木だ! 木の机と椅子だ! すげぇ! つか床と壁もじゃん! ここほんとに砂星か? 贅沢すぎんだろ」


 と真ん中に座っていた少年は起き抜けに何故か木製の机と椅子に興奮している。顔付きやらがどうも日本人ぽくないのでおそらく外国人だろう。

 

「おいすげぇぞスコッチ、この机絶対銀貨20枚ぐらいいくぞ」

 

「うるせぇ、こちとら二日酔いで頭痛ぇんだ」

 

 その少年の隣では例のペンギンが起き上がった。

 そして喋った。

 

「「ペンギンが喋ったあああああ」」

 

 ありえない現象を前にして宇佐美と枦々は同時に叫ぶ。

 

「何言ってんのよ、怪人なんだから普通でしょ」

 

「「普通なの!?(でありやすか!)」」


 どうやら本当に訳の分からない現象に巻き込まれたらしい。 

 

 

 

 

 

 

 

 

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