イソラ・マタニティ
い☆つ☆も☆の☆
今回は藤井機斎先生作「イソラ」と芳賀概夢先生作「レムロイド」より出張していただきました。
――――――――――――――――――――
時は慶応三年、倒幕佐幕で世が乱れる動乱の時代、しかし世の常とは関わりの無い場において一つの戦いが起きていた。
北海対馬海盆の闇の中でたゆたう
クレーンから伸びた拘束具に縛られている様は、その手の役人が見たら座敷牢に縛られている罪人に見えるかもしれない。
不浄の儀とされる出産場に
全身に煤を浴びたような濃く黒い
産婆の名はヴァルク、巷では産婆ルクと呼ばれている。
ヴァルクは油で清めた手を
その後、イソラにラマーズ法を勧め、彼女はそれを承けてリズミカルな給排気を行う。
ヒュー、ヒュー……コォォォォ
ヒュー、ヒュー……コォォォォ
緩やかな基本リズム、これにより機体の緊張を解していく。
準備期が通り過ぎ、進行期に移った時にヒュッ、コォォォォの短いリズムに切り替える。
そして極期に移行したら、
不意に、産婆ルクことヴァルクはいきむのを止めるよう促した。イソラはヒュッヒュッヒュッと短い呼吸を繰り返して次のアクションを待つ。
赤ちゃんの頭が出てきた。イソラは給排気をゆっくり行い力を抜いていく。
ヴァルクは頭を掴んでそろりと抜いていき……そして
ズダダダと
新たな生命が誕生した瞬間であった。
しかもなんと、三つ子である。
立派な、男のMBだ。
ヴァルクは
ヴァルクは、もう用は済んだとばかりに立ち上がって
次の
産婆ルクは止まる事を知らない。
彼女はこれからも生命の誕生を幇助し続ける。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます