異世界転生ダービー 皇王杯
Twitterの会話から生まれた物語。登場人物はあの2人です
――――――――――
「さあ始まりました。第3回異世界転生ダービー 皇王杯! 実況はこの私、ながやんがお送りします。そして解説にはこちら」
「
「さあ続々と6人の走者が位置に着きました」
第1走者 キサラギ職員
第2走者 DSの人
第3走者 長物
第4走者 守
第5走者 月下
第6走者 ゆずりは
「ファイナルデッドなんちゃらよろしく、次々と襲い来る死の運命を跳ね除けて無事異世界転生を阻むのは一体誰か!? さあ、運命のカウントダウンです」
パッ(黄色いスタートランプが点灯)
パッ(二つ目の黄色いスタートランプが点灯)
パッー(サンダーチャイルドが点灯)
「スターターピストルの引鉄が……今っ、引かれました!」
「
「おおっと最初に動き出したのは月下選手だああ、月下選手まずはパソコンの電源をいれました」
「
「なるほど、しかしそんなに甘くないのがこの異世界転生ダービー、おや早速雲行きが怪し……」
その時、月下選手の部屋の真上に直径10メートル程の雨雲が発生し、中心部で電荷分解が物凄い速さで行われて蓄電されていく。蓄電された静電気はプラスとマイナスにわかれてプラスは上に、マイナスの電気が雲の下に溜まっていく、
どういうわけか地表のプラス電気が月下選手の家の周りに集まり、
そして一閃。
直後月下選手の部屋が青白く光った。
「ああああ落雷だああああ、突如発生した雨雲から落雷が発生してピンポイントで月下選手の部屋に落ちたあああ」
「
「月下選手、無念の異世界転生です」
「
「しかし外は危険がたくさんあります、この困難をどう乗り越えるか!」
DSの人選手は全速力で何処へともなく走り続ける。しかし彼の走りは間もなく止まる事になる。
曲がり角で出会い頭に美少女とぶつかったからだ。豪快に美少女を押し倒してしまったうえに、そのまま彼女のおっぱいを鷲掴みして揉みしだく。揉みながら胸に着けていたパンツを剥ぎ取って立ち上がった。
「おおっとラッキースケベだ!」
「
「しかしDSの人選手、美少女に警察を呼ばれてお縄にかかってしまった。死刑を宣告されて無念の異世界転生となりました」
「
「おや長物選手も面白い事になってますよ」
「
「きたああああ、数多の死傷者を出した異世界転生トラック! 最強の兵器が長物選手を襲う!」
長物選手はそのトラックに気付いたようで、向き直り、正面から受け止めようとする。これは人類とトラックの生存をかけた戦いであるからだ、人類の誇りをかけて長物選手は腰を落とし、腰の捻りを加えながら真っ直ぐ拳を突き出す。
正拳突き。
その拳はトラックのフロントにヒットし。
バーン(長物選手が撥ね飛ばされる音)
「人類はトラックに勝てなかったようです、長物選手無念の異世界転生」
残りは3人。
「
サンダーチャイルドが指差したところを注目すると、ゆずりは選手の死体が丁度光の粒子に包まれて異世界転生を果たしていた。
「これは一体どういう事だああ!」
「
「ああ、それは切ない。よくある事だけに切ない」
続いて守選手がピックアップされる。
守選手は街中を縦横無尽に駆け回りながら、頭上から降り注ぐミサイルの雨を回避し続けている。
「す、凄い! これは凄い! 軽やかに躱していく!」
「
「つまりその時身につけた靴磨きとしての経験が、あの強靭な肉体を作り上げたわけですね」
だがそんな守選手に悲劇が訪れる。
戦闘機からミサイルと一緒に革靴が発射されたのだ。
元靴磨きとしての本能がその革靴に反応してしまい。足を止めてしまう。磨かなければ……そう思った瞬間、革靴が守選手の胸を貫いて彼の背後に着地する。
胸から靴磨きの道具を撒き散らしながら、守選手はゆっくりと地面に沈み込み、光に包まれる。異世界転生したのだ。
そして、靴べらで守選手が異世界転生するところを見届けた革靴は、天高く爪先を掲げた。
「さあ残るはキサラギ職員1人となりました」
「
キサラギ職員選手、彼は大鎌を持った骸骨と相対していた。不気味なフードで全身を覆っている骸骨、そうそれは俗にいう死神というものだった。
「
「おやキサラギ職員選手、ゆっくり死神に近付いていくぞ、そして徐に財布を取り出してお札をだした!」
「
それは違った。
死神はキサラギ職員の手からお札を取り上げると、1枚、2枚、3枚と数えてから……サムズアップをした。笑顔で。
「なんと死神相手に賄賂だあああ」
「
「キサラギ職員選手、今この時生存が確定! 第3回異世界転生ダービー皇王杯の優勝はキサラギ職員選手に決定だああああ」
因みに死神の賄賂は3千円らしい。
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