私の部屋にはヌイグルミがたくさんあります
私のお部屋にはヌイグルミがたくさんあります。
クマさん、ネコさん、イヌさん、カカシさん、ウサギさん。
たくさん、たくさん。
それらのヌイグルミは私の大切な大切な友達、朝起きたら必ず挨拶するのが私の一日の始まりです。
「おはよう、みんな」
『うん! おはよう!』
ヌイグルミ達はお話ししません、ですので私は裏声でこの子達の心を代弁するのです。
「今日もいい天気だね」
『うんそうだね! そうだ、すみれちゃん、お誕生日おめでとう』
「わあ! 覚えててくれたんだ、嬉しい!」
『当然だよ』
「ありがとう、皆」
会話も程々に私は下に降りてシャワーを浴びる。熱いお湯を全身に浴びてどんどん頭がスッキリしていき、同時に身体に着いた赤い汚れも落ちていきます。
そういえば、昨日新しく手に入ったヌイグルミを手入れしないと、ちょっとほつれてたんだ。
シャワーの後、朝ごはんを食べるためにリビングに入ります。
そこにはお父さんとお母さんが席に座っていました。
「おはよう、お父さん、お母さん」
『おはよう、すみれ』
『ご飯できてるわよ』
「はあい」
いつもの席に座って、私は朝ご飯を食べました。
そして小学校にいく支度をして家を出ました、通学路の途中で親友の後藤ちゃんに会いました。
「おはよう後藤ちゃん」
「あらおはようすみれちゃん」
後藤ちゃんはとってもとっても大きなクマのヌイグルミさん、いつか私もこれくらい大きなヌイグルミさんを捕まえたいな。
「そうだすみれちゃん、お誕生日おめでとう。これプレゼントよ」
「わあ! テディベアだあ、ありがとう!」
後藤ちゃんがくれたのは可愛いくラッピングされたテディベア、以前ショッピングに行った時じっと見てた事に気付いてたのかも。
後藤ちゃんのこういう気の利いたとこが好き、後藤ちゃんの誕生日には手作りのヌイグルミをプレゼントしちゃお!
その後は普通にネコさんヌイグルミの先生の授業を受けて、放課後はちっちゃな色とりどりのヌイグルミ達にお別れを言ってから真っ直ぐ帰宅。
「ただいまあ」
『おかえり、すみれ』
『手を洗ってらっしゃい』
「はあい」
お父さんとお母さんはリビングのテーブルに座ってました。朝と全く同じです。
私は足早に部屋に上がって昨日新しく捕まえたヌイグルミを補修することにしました。
このヌイグルミは昨日の夕方、親からはぐれたのか一人でいた所に声を掛けて連れてきたの。
まずはハサミで腕を切る、その後他のヌイグルミの部位と組み合わせる。パッチワークというのに最近ハマってる。
ヌイグルミは「痛い痛い」と泣いて叫びます。可愛い。
でもちょっとうるさいから私はヌイグルミの口にタオルを突っ込みました。モゴモゴしてる姿も可愛い。
ハサミでチョキチョキ、赤いワタがたくさんたくさん零れてきます。チョキチョキ、骨に当たりました。
これが難敵、私はこっそり拝借したお父さんの工具箱からドリルを取り出して少しずつ削っていきました。
いつの間にかヌイグルミさんは大人しくなってました。
腕を切った後は他のヌイグルミさんの腕をくっつけて完成、片腕だけ異様に長い?
違う違う、これが可愛いの!
はあ、楽しかった。もっともっとヌイグルミが欲しいなあ。
次はどんなヌイグルミにしようかな。
う〜ん
そうだ!
あなたにしよう!
これを読んでるあなた
今から
行くね
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