危険度 6
「あきと。おきろ、あきと」
子どもの声に、彰人は目を開けた。のぞき込んでいた白い面をつい払いのける。なんなんだ。ここはどこだ。車椅子もない。天井も壁もよく見えないほど暗くて広い場所に寝かされていたらしい。そしてあの白い面だ。あれは廊下に現れて手を引っぱったあいつだった。おい、と子どもを呼ぼうとしたとき。
「アキトお」
聞き慣れた声に飛び起きた。いつからいたのか、すぐそばに白装束が立っていた。乱れた髪もそのままに泣きそうな表情で、プリンを入れた箱を大切そうに持っている。どうしてここにいるのか聞こうとしたが、口から出た言葉は違った。
「ハギ。おまえ、大丈夫か」
「限界」
さぎりの腹が盛大に鳴った。彰人は吹きだす。
「食えばよかったのに」
「作ったひとがどうぞって言うまで食べないの」
「そっか」
確かにさぎりは食べていいと言われるまでフォークを持たないし、うちの冷蔵庫も戸棚も許可なく開けたりしない。その替わり、許可したらしっかり漁る。
足下に箱を置いてさぎりは正座した。するとあの子どももやって来て隣に正座した。なんだこいつ。
「なんだよ、おまえ。ハギの分だぞ」
「いいのいいの、アキト。ふたりではんぶんこする約束してるの」
「ふうん。じゃあ、ひとり三個な」
プリンをふたりの前に並べていく。スプーンも六本入れてきてよかった。ふたりは全身でわくわくしている。楽しくなってきた。地面に正座して食べ物を囲むなんて、ままごとじゃないか。
「どうぞ」
「いただきますっ」「いただきます」
さぎりは勢いよくほおばった。数口めからぼろぼろ泣きだしたが、涙と鼻水をぬぐいながらプリンを食べていく。見ている彰人は胸が痛くなった。家でプリンを食べさせてからどれくらい経ったんだろう。そのあとに起こったことも考えると、今ここで過ごしていることは奇跡だ。
よかったな、さぎり。
「はぎ。うまい」
「おいしいでしょ。これがアキトプリンだよ」
「すごく、うまい」
気になるのは隣のおまけだ。
見た目は四歳くらいで、カルネモソミと同じライカナの民の服を着ている。つるんとした表面に穴三つ開けただけのシンプルなお面で、面の下はよく見えない。口らしい一点にスプーンが吸い込まれているので、面ではなく顔かもしれない。
廊下に現れたこいつをカルネモソミは「レンカランクル」と呼んだし、事務所にいた黒い影にもそう呼んだ。つまりこいつはさぎりを真っ黒にさせた元凶で、島で一番おそろしい妖怪、根源だ。
取り憑いたさぎりと一緒にいるのは当然だとして、この外見が問題だ。プリンをもぐもぐ食べている姿はちいさな子どもでしかない。こいつが最強最悪な妖怪だと誰が思う。
「おかわり」
さぎりが空容器を差し出してきた。いつものおかわり要求ポーズだ。容器を受け取り、箱にしまう。
「おかわりはない。作ったやつ全部持ってきたんだから」
わかった、とさぎりは素直にうなずいた。
「ごちそうさまでした! アキトプリンすんごくおいしかった! 五臓六腑み沁みわたった」
「よし」
「レンちゃん。おいしい?」
隣は三個めのプリンを夢中で食べている。口が小さいので食べるにも時間がかかるようだ。
「ハギ。確認するけど、こいつ」
根源だよな、と言う前に。
「うん、友達っ」
うれしそうなさぎりに、彰人は口を閉じた。
もしかしたらさぎりはこいつが根源とは知らないかもしれない。もしそうだとしたら、ここは慎重に話を進めないとだめだ。悪徳心霊療法の信者を洗脳から解くには、詐欺だからやめろとか否定してはいけない。結論を焦るなよ、俺。
「ええと、ハギ。ハギさん」
「なんですか、アキトさん」
「この子ども、幽霊じゃないよな。妖怪だよな」
「うんっ。正解。妖怪でっす」
「実は、まさか、根源」
「お。アキトくん大正解です! すごいね」
さぎりは自慢のオモチャを見せるように語りだした。
「そうなの。この子は根源なの。ぼくの名前はレンちゃんです。よろしくお願いします」
さぎりは頭を押さえて下げさせ、下げさせられたほうも「よろひぐ」とスプーンをくわえたまま挨拶した。彰人だけが呆然としている。
「あの根源がこんなにかわいいなんて反則だよね。このお面も実はほらみて顔なの、顔。ほっぺがね、ぷにぷになの。かわいいよねえ。ああっ、見てよ、プリン食べてるのたまらなくかわいい! 天使がここにいる。食べたら一緒におうちに帰っていっぱい遊ぶんだ」
彰人はすっかり脱力していた。のんきな姿を見ていたら、自分ひとりで緊張していたことがバカみたいだ。
だが引っかかることもある。こいつと一緒に家に帰るとはどういうことだ。根源のせいで、朝日川は人も家畜もたくさん死んでいる。根源の封印が完了するまでに殉職した退魔士もいた。そんな危険な妖怪を地元に連れて帰るなんて許されないだろう。
彰人は根源を指差した。
「元いた場所に返してきなさい」
「えー」「えー」
ふたりそろって不満声をあげるので、それぞれにデコピンを入れた。痛がる仕草もふたりそっくりで、かわいいしおもしろい。根源じゃなかったらいいのに。
どう説得しようか考えていると、横から空容器を突きつけられた。「おかわりはないって」と小さな手から容器を受け取って箱にしまう。子どもは興奮したように手足をぱたぱたさせて彰人の肩に張りついた。
「うまかった、すごくうまかった! このアキトプリンはすごい供物だ。食べるほど力がみなぎる。みろ、あきと。弱々しかった我もすっかり力を取り戻した。これはすごい供物だ」
ほめられて顔が熱い。口元もゆるむ。
「すごくないって。プリンミックスでちゃちゃっと作っただけだし」
「こんなにすごいものをちゃちゃっと作るのか。あきとはすごい。ニマエイサウセの供物くらいうまい」
「にま、せ?」
「ニマエイサウセ。ニマエイサウセの供物はいつも冬の星のように光っていた。このあきとの供物は春の夜だな。やさしくていいにおいがする」
「たぶんバニラエッセンスじゃ」
「また我につくってくれ。あきとの供物が一番いい」
ぴょこぴょこ跳ねながら無邪気に肩にしがみついてくる。これじゃ折れるまでくっついてるな。
「わかったわかった、またつくるから。約束するから。な」
ぽんとちいさな頭に手を置いた。うん、とうれしそうにうなずく子どもについ笑う。
あれっ。
さぎりがくすくす笑っていた。
「こ、これは別に」
「レンちゃんかわいいでしょ、アキト。それに一緒に帰っても大丈夫なんだ。この子ね、いつも封印の間から脱走してたの。関係者みんな知ってるよ。寝てるアキトのところにも行ったし、厳龍おじちゃんのサインももらって帰ってきた」
「あきとは力尽きて寝ていただろう、だから我が力を分けた。その後にすぐ起きたようだな」
「マジか。奇跡だとかいろいろ言われたけど、そういう事だったのか。厳龍さんが来て」
「厳龍おじちゃんがなになに」
「おじちゃん、て。あ、もしかしてハギの親戚」
「ううん、おじちゃんって言ってるけど親戚じゃない。ちいさい頃からお世話になってるの。よく覚えてないんだけど、私が三歳くらいの時にお兄ちゃんと遊んでたら妖怪に襲われて、たまたま出張に来てた厳龍おじちゃんに助けてもらったんだって。それからだよ」
「へえ」
「そうだ。いい機会だから言っておく。アキト、お兄ちゃんたちは無免許だから信用できないって言ってたけど、おじちゃん達ができない仕事を請け負うための無免許なんだよ。ああ見えてもみんな上級退魔士並なんだからね。庭にきた妖怪を祓ってほしくても、市役所まで行って妖怪祓いの申請して、管轄の退魔士が来てもらうまで早くて二日でしょ。だけどお兄ちゃんたちみたいな事務所は申請なしですぐ動けるの。ちょっと手数料がかかるけど、そういう事務所は島のあちこちにあるんだよ。だから」
「はいはい」
「聞いてないでしょ。レンちゃんのお面のことも説明しておくね。これはカルちゃんの力でレンちゃんが作った完全オーダーメイド封印で、どんな封印よりも強くて、島の退魔技術くらいでは壊れないの。だから外に出ても大丈夫」
「はいはいはいはい。それよりハギ、根源が外をうろうろするのは世間的にまずい。そこ、おまえはわかってるのか」
さぎりは渋面をつくった。
子どもが彰人の懐に飛び込んできた。形はあるのに重さがほとんどない。まるで人形だ。感情が読めない面のせいかもしれない。人形は首を傾げた。
「あきと。我は、我の国に帰る出口を探すために外に出なければならない。一日でも早く帰りたいからだ。それでもまずいと言うのか」
「まずいっていうか、怖いと思う。そもそも根源が島をうろうろするんだぞ、怖いだろ。だからほら、誰かに探してもらえばいいんじゃないか。ハギもいるし」
「それはできない。出口は我じゃないと見つけられない。それにカルネモソミも必要だから、あきとも一緒になる」
「は。ちょっとまて。カルネモソミもって。こっちの都合は無視かよ、待てよ。もう、一緒に行っていいか聞いてみる」
そういえばカルネモソミは根源を帰すために動いていたはずだ。あいつならいい案があるかもしれない。
カルネモソミ。カルネモソミ。おい。おい、カルネモソミ。
おかしい。返事もないし、痣をさすっても出てこない。カルネモソミ、どうした。
「どしたのアキト」
「カルネモソミがなにも言わない。痣はあるからいるとは思うんだけど」
「カルネモソミなら眠っているぞ」
子どもの冷たく感情のない声に、背筋がひやりとする。
「我はレンカランクル。理(ことわり)にその名を受けたときから、我は夜であり闇である。光を呑み、音は沈黙する」
レンカランクルは静かに続ける。
「ここは我の国ではなく我のなかだ。カルネモソミはトンラウンクルが光のかけらで作った。だからカルネモソミも闇に呑まれたら眠る」
「あたしもアキトも起きてるよ。まさか死んでるの」
「いや、ふたりとも生きてここにいる。生き物はすべて我とトンラウンクルの半分でできているから、我のなかでも呑まれずにいられるんだ」
「ここ、レンちゃんの中なのか。見てくるっ」
「え」
さぎりは暗い空間に向かって駆けていく。彰人は寝転がって見送った。
ちいさな手が彰人の左腕をさすってきた。
「カルネモソミよ。男を斬らずに済んでよかった。またおまえが呪いを受けるかと我もひやひやした。トンラウンクルのまじないが効いたんだな」
「斬らないよ。刀で誰か斬るなんて怖いし」
というかそ前にレンカランクルが来たんだけど。あのおっさん、捕まってくれてたらいいのに。
「あきと。いいか。カルネモソミはクムを斬る剣だ。霧でも水でも岩でも、クムならばカルネモソミは斬ることができる。そうやってクムを我の国に送ってくれる剣だ。そのかわりに生きているものを斬ってはならない。あたたかい血にふれたら、カルネモソミは生き物ばかり斬る人喰い剣になるぞ。これは恐ろしいことだぞ。あきとが死んでも、人喰い剣は生き物を求めてさまようんだからな」
「じゃああの時おっさんを斬ってたら」
「あそこで生きてるものはいなかっただろう。リフハモソミで真っ二つにされるまで斬り殺していた」
「りふ、なんだそれ。妖怪」
「リフハモソミといってカルネモソミの対剣だ。片方が人喰い剣になったら片方で真っ二つに折って、トンラウンクルに返す。火口に投げてもいいぞ。火口はトンラウンクルの竈だ」
「そこまでやるのか」
対剣で折るとか火口に投げるとか、実現不可能としか思えない方法にめまいがする。
「あきとが生き物を斬らなければいい。それにリフハモソミならいつもカルネモソミの側にいる」
「見たことないぞ」
「カルネモソミとリフハモソミは仲睦まじい剣なんだ。昔、トンラウンクルは民を苦しめている悪いクムを討伐するため、カルネモソミとリフハモソミを作って村に行った。クムを討伐した帰りに、トンラウンクルは岩にリフハモソミを置いて、川でカルネモソミを洗っていた。すると魚がリフハモソミをくわえて飛び出してきた。それを見てトンラウンクルは二本を男剣と女剣の対剣に叩き直した。それからこの対剣は常に共にある」
「じゃあ今回も近くに来てるか」
「いる。それに出口を見つけるには対剣が一番いい。だからトンラウンクルが遣わしたんだな」
ちいさな手が左腕をやさしくたたく。
「ありがたい。昔からトンラウンクルは優しいんだ。リフハモソミが見つかったらすぐに出口を探すぞ。はぎとあきとも一緒にな。あ、アキトプリンも」
彰人は笑った。
「そんなに気に入ったのか。わかったよ、また作るから。リフ、ハ、モソミだっけ。そいつが見つかるまで人喰い剣にならないように気をつけてるよ」
「我も祈ってやろう。供物の礼だ」
レンカランクルは痣にこつんと額をつけ、なにかつぶやいた。腕がなにか薄い膜で包まれたような感じがした。
「これでいい。あきとに危害を加えるヤツは我の印を見て逃げるだろう。はぎが戻ってきた」
レンカランクルが視線を向けた先で、白装束がふらふら倒れた。裾がはだけるのも構わず大の字に転がる。
「ハギ、なんかあったか」
「ない。なんにもない。どこまで行っても、ない。上はわかんないんだよね。飛んで見にいけたらいいんだけど」
「飛べるだろう、はぎ。羽を使えばいい。今は我の力がある」
「羽なんて無いよ。レンちゃんの力があるって言われても使い方とかわかんないし」
「影で作れ。ライカナの巫はそうしていた」
「巫さんが凄すぎでしょ。でもできるかな。ええと、妖怪の羽、羽、羽」
難しい顔を浮かべた数秒後、さぎりの背中にコウモリの羽が生えた。
「わ。なんか生えた。すごい、できた」「すげえ。生えた」
しかしパタパタ羽ばたくだけで、体は浮きもしない。
「飛べません」
「ハギ。翼で人間の身体を浮かせるには相当でかくないと無理って話だぞ。あとは飛行機みたいに滑走して飛ぶ方法も」
「走るのやだ。じゃあ飛ぶ妖怪の背中に乗る作戦。出てこいっ」
さぎりは宙に手をかざした。しかしなにも起きない。
「出ません」「出ないな」
レンカランクルは笑い出した。
「出ない、出ない。はぎが飛べるクムになったほうが早い」
彰人は顔を歪ませた。人間が妖怪になるなんてぞっとする。
一方、さぎりは目を輝かせた。「よし」と言うなり全身が黒くぐにゃりと解け、数秒で鳥妖怪になった。くちばし、黒い目、照りのある翼、丸い頭に角一本。どこからどう見ても妖怪カラスだ。
一連を目の当たりにして、彰人は感動した。無駄のない変身は魔法のようで、ついさっきの嫌悪感は消えていた。まさか、こんな漫画のようなことが起きるなんて、凄いことじゃないか。
「すっげえ! ハギ、すげえ! カラスだよ、カラス。声はハギだからハギってわかるけど、カーって鳴いたらわからないぞ、これ」
「かー、かー。あー。うん、鳴き声は無理か」
さぎりカラスはひょいと彰人の頭に乗った。とたんに彰人は振り落とし、カラスは地面にしりもちをつく。
「びびった、急になんだよ。首が折れるかと思った。声だけじゃなく体重もハギのままじゃ」
「そっか。よしわかった。そんじゃ次いこ次」
大型犬。三又尾の猫。大蛇。熊。双頭トカゲ。次々に変身してから鋼さぎりに戻った。ただしぜーはーと激しく肩呼吸していて、軽く咳込んだ。
「大丈夫か、ハギ」
「はあ、はあ、疲れた。なに、これ。はあ、妖怪の、ときはへ、平気だった、のに。はあ、はあ。人間に、戻った、いきなり」
レンカランクルはうんうんと頷いている。
「変身は力を使うから疲れるぞ。最後はちゃんと人間に戻ったな。はぎは言わなくてもわかるようだ。クムのままでいたら形を忘れて戻れなくなる。お調子者の巫がクムから戻れなくなって友に狩られた事もあった」
ふたりはぞっとして見合わせた。
「疲れたら休め。あとはそうだな、あきとの供物があればすぐ元気になる」
さぎりの視線に、彰人は「帰ったらな」と返した。
「そうだね。帰ろっか」
「もう帰るのか」
さみしそうにつぶやいた子どもを、さぎりは抱き上げる。
「レンちゃんも一緒に帰ろ。「まじょゆう」の続きもやるんでしょ」
「あ! そうだ「まじょゆう」! むらさき魔女を探す」
彰人は二度見した。隠しイベントの話をしているので、かなりやり込んでいる。まさか根源が暗黒神を倒すゲームにハマったなんて、誰が想像できただろう。
「よし帰ろう。ええと、ここから帰るにはどうしたらいいか教えて、レンちゃん」
「はぎとあきとならタリヌジがいいだろう」
レンカランクルはさぎりから降りると、つま先で地面を数回叩いた。すると音もなく地面が盛り上がって、巨大な狼妖怪になった。体長は一戸建てくらいありそうだ。頭にはねじれた角が生え、横に並ぶ無数の赤い眼が眠そうにまばたいた。あくびをした口の中には鉄板さえ噛み砕けそうな鋭い犬歯が生えそろい、前足四本と後ろ足六本を四方に伸ばしてうーんと伸びをした。
初めて見た巨大な妖怪を、彰人は呆然と見上げる。さぎりは全身でうきうきしている。
「すっごーい、おっきーい。レンちゃん、この子が出口まで乗せてってくれるの」
「いや。おまえたちを呑む」
なんだって。
「我のなかから出るには一度死ぬしかない。安心しろ、本当に死ぬわけじゃないし、それにタリヌジはなんでも丸呑みする奴だから痛くないぞ。タリヌジ、このふたりを呑め」
「え」「ちょ」
妖怪狼はおおきく口を開け、ふたりをちいさな果物のように舌でからめて呑み込んだ。声を上げる暇もなかった。
「あきひと、あきひと。起きてくれ、あきひと。目を開けろ」
カルネモソミの必死な声に彰人は目が覚めた。そこは夜の屋外、冷たいコンクリートの上だった。近くにさぎりもプリンの空き箱も転がっている。心配顔のカルネモソミになんとか笑って応えた。体中が重い。
「あきひと、だいじょうぶか。レンカランクルが人を呼びにいった。人のことは人に任せるのが良いだろう。ここは病院の屋根の上だと言っていたから、すぐに助けが来るはずだ。はぎも無事だ。だから安心していい」
彰人は最後まで話を聞いていられず、眠りに落ちていった。
死ななかった。もう、それだけでいいや。
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