068:砦兵からの依頼
タロウは砦にやってきた。
木製ながら重々しい両開きの扉は固く閉ざされている。
扉を開けますか?
はい、を選ぶまでもなく扉は唐突に開いた。
出迎えたのは岩腕族の兵士メタルサだ。
どこに見張りがいるんだ?
「驚かせたようだな。用がある時は端の小槌を叩いてくれ」
びくっと震えたのを見られたようだ。
指差された方を見れば扉の太い枠にカマボコ板が打ち付けてあり、そこに上から小槌が縄で吊るされ金具に引っ掛けられている。カマボコは存在しないと思うから、ただの板だろう。
開かれた扉からメタルサが下がったので、入れということだろう。
戸口を通る直前にちらと頭上を見上げれば、石積みの壁には一定間隔で黒い隙間がある。銃眼? 銃はないか。
中に入ると暗かった。圧迫感を感じるせいか、でかい建物の割に狭く感じると思ったら、民家より天井が低いようだ。他の建物はほとんどが二階建てだ。この砦だけが三階建てに加えて、屋上には出入り口らしき小さな塔が生えている。階層がある分、重量のせいで天井は低めになってるとかあるのかな。
きょろきょろしていた俺の前で、手が振られた。
「こっちだ」
入ってすぐに部屋があり招き入れられるが、相棒のヴァルキは居ない。
部屋の中央には何の飾りもない木の机を並べて大きな机にしてあり、周囲には数脚の椅子が無造作に配置してある。
待合室というか、雑談するにはちょうど良さそうな部屋だ。
だが、壁沿いに幾つか並べた椅子に、布が敷きっぱなしになっているのを見てしまった。
なんて、恐ろしい光景だ。
なんの事件もないこんな辺境の交番で、兵がやるような仕事なんかなさそうだと思っていたのに……とんだブラックな職場らしい。
簡易椅子ベッドから目を逸らすと、メタルサが一つの椅子を俺に差し出し、机の上に積まれていた書類らしきもののタワーを押しのけていた。怯えながら座る。
「さっそく来てもらえて助かる」
「約束したから」
メタルサの方から伝言をという話だったが、砦長の態度とギルド長が行けと言ったことから、すでに話は通っているんだろうと思い俺から来てみた。
案の定というか、戻ったばかりだろうに連携が良すぎない?
実はあのおっさんたち仲いいだろ。
「実はついさっき砦長から聞かされて待機してたんだ。前はあんまり乗り気ではないようだったが、何か心変わりしたようでな」
やっぱり……。
ギルド長と張り合いたいというくだらない理由だぞ。言わないけど。
末端の奴らがこうして振り回されるんだよなと軽く同情していると、メタルサは用件に入る。
「さて、依頼の話といこう。以前少し話したな」
「苔草を除去したいとか」
「うむ。仕事自体は単調なものだが、俺達だけでは大して進まない。かといって人族には、少し厳しい現場だ」
ふむふむと相槌を打ちつつ聞く。
「だから、まあ、その、よっぽど邪魔にならない限りは放置していたわけだ」
なぜそこで言いよどむ。いきなり嫌な予感。
「お陰で苔草の山ができちまってな、ハハ」
こっちの人間はごついせいか年上に見えがちだが、多分こいつも同い年くらいだと思う。歳はどうでもいいが、野郎の照れ笑いなど見たくない。さっさと要件を述べよ。いや、もう見えた気がするけど。
「ちなみに、どういった植物なんだ。多分、見たことがないと思う。痒くなるとか、べたつくといった特徴があれば聞いておきたい」
「毒のようなものは特にないな。見た目は足ほどの大きさで、山のような形をしたものだ。分厚い傘のような葉が全体を覆っていて、これが水を含んで弾力がある。そのせいでうっかり踏むと体勢を崩してまずい」
茸かなんかなのかそいつは。
そんなの、都度引っこ抜いていけば済みそうなもんだ。わざわざ俺に頼むような案件かよ。
「それだけじゃないだろ?」
「ぬ、見破られたか」
大げさな前ふりはいいから。
「その葉が重なり合うようにくっついて、巨大な山のようになってしまった場所があってな」
「どのくらい育ってる」
「……寝心地が良さそうだなあ、というくらいには」
ベッド並みかよ!
確かに、他種族には厳しいのかもな。でもそれは地道に毟るならだ。
「炎天族……ヴァルキなんかが一気に切り落としたりできないのか?」
「それも考えたが、場所が悪いんだ。力を乗せられるほどの空間がない狭い場所でね。結局は突き刺し、くりぬくようにしなければ取り除けない。それに、やたら生命力も強くてな。少し切り刻んだ程度では枯れる様子もなく困ったものだよ」
「そんなやつ、俺が取り除いても同じような気がするけどな」
「うむ、そこでだ。通り抜けられる分を除去するのではなく、一度すべてを剥いでみてはどうかという意見にヴァルキと一致してな」
酒のノリかなんかじゃないだろうな。
「そんな状態では時間もかかるため、一日空けてもらうことになるだろう」
もちろん引き受けるよ。地味に椎茸の傘を剥いでる自分の光景が浮かんだし。
不本意ながら役に立てそうってことだ。
「枯れるかは分からないけど、やってみるよ」
「そうか! 引き受けてもらえるだけでもありがたい」
破顔するメタルサに対し、俺は微妙な笑みを浮かべているはず。何か言い辛そうな様子だったのが気にかかるんだ。
喜んでもらっているところ悪いが、引き受けるのは俺に拒否権がないからだ。
「残念だが、今日の予定は決まっている。明日でどうだ」
「じゃそれで」
作業時間がどれほどのものか見てみないと判断できないが、メタルサとヴァルキの二人も加わるから一日で終わるだろうということだ。
「安心しろ。間に合わなかったからと持ち越しはしない。その代わり」
「怠けることはしない」
メタルサは満足そうに頷いた。
さすがは軍隊、といっていいものやら。住人からの依頼と違って、期日が曖昧ではない。
というわけで、本日のところは話を聞いて終わった。
「夜明けには砦前に来てくれ。では、明日」
では解散と心で付けたし、立ち上がるメタルサに俺も頷いて部屋を出た。
明日は、ジェッテブルク山か。
麓とはいえ中ランク以上の場所。森の中とは違う場所だ。
はたして、多少は鍛えられたとは思うが、俺の雑用スキルが活きるのか。ではなく、戦闘スキルが活躍できるんだろうか。
ま、それも兼ねてお試しということに違いない。
短時間で用事が済んでしまった。ならギルド長からの依頼をするか?
いや明日に中断するんなら、いっそ明後日から始めた方がいい。
なんとなくギルド長が癪に障ったからとかではない。
「なら、行くか」
東の森へ……!
草刈りツアー続行だよ。どうせ行けるところは限られているのさ。
砦脇の路地を抜ければ北の森だ。近くてちょうど良い。
いつも柵沿いから北の森へ、そこから木々沿いに東方面へと歩いている。遠回りだが、開けているからといって放牧地を突っ切る勇気はない。その要因であるヤシだかウギだかの鳴き声が聞こえてきて、草原へと目を向ける。ヤギのような角が生えている謎牛だ。茶色いのや白いぶちはいるが、白黒のやつは見ない。数が多いし体もでかいだろう、ぶつかられて弾き飛ばされたところを踏みつぶされたらと考えるだけで怖いからな。
昨日刈り残したやつや場所に手を入れつつ目的地へ向かうが、山への抜け道の辺りに差し掛かり、足を止めた。
この辺でモグーが出たんだっけ。
「もう少し、見易くしておくか」
ザクザクバリバリと音を立てて、その辺の茂みを除去していく。
相変わらず草に埋もれながら、汗を拭いつつ空を見上げた。良い天気だ。
地球と変わりない青空に見えるが、ごくごくかすかながら全体に七色のグラデーションがかっている。特に地表に近い辺りが強めだ。
きらきらとした虹色の膜が張ったようだと思えば綺麗だが、水たまりに浮いた油のようだと思うと微妙な気持ちになる。
しかし、太陽の温かさは同じ。
不透明だった状況が見えてきて、うだうだと思い詰めていたのが片付いたと思うと、温かな太陽の光が心まで届いたようにぽかぽかとする。
「ああ、のどかだなぁ」
気は緩みながらも、草と一緒に戯れるカピボーも収穫。
こんなに楽々と一連の作業ができると気分が良い。ルーチン化によって、心にも余裕が出てきたんだろう。
現実逃避ではない。決して現実逃避なんかではない。
……強くなります、だってよ。
ビオに言った言葉を思い返すと、恥ずかしさに居たたまれないのを通り越して、げんなりする。
あんなこと言っちゃってさ。
「どうやったら、これ以上レベルが上がるんだっての……」
ビオによればマグの流れが強い?
要は俺が他の人族より増量されてるらしいって言葉を信じるならば、人族の平均値を少しは超えられたんじゃという予想は当たりだよな。
これまでの頑張りが少しは実を結んでいるのだと、ただの推測ではなく誰かにお墨付きをもらえたというのは、随分と心強い。
現実に生きる以上、ステータスが全てではないような感じもあるけど、格闘技とか武道にも疎いのだから俺には頼れるような技はない。戦闘訓練をするにも、見たところギルドは、実地で訓練させる方針のようだ。
まあ、他の人種なら初めから戦えて当たり前っぽいからな。
「まいるよなほんと……」
だが、そんな俺にも一つだけ突破口がある。
これからしばらく、いろんな場所に連れていかれるはずだ。森とか、森の奥とか、川の向こうの森とかだ多分。
まんまとギルド長の策に乗せられたことについては辟易とするが、多少の期待があると思えば悪くない。
もしかしたら中ランクの魔物に傷をつけるくらいの機会が、あるかもしれないじゃないか!
「投石技術でも磨こうかな。おっちょうどいい石発見!」
鼻歌交じりに小石を手に取り、左手に持ち替えたナイフで藪をつついた。
「ぷキャ!」
魔物の姿が現れる前に飛び退って少しの距離をとる。
飛び出したカピボーが着地するタイミングを見計らって、投げる!
「キェイン!」
カピボーは身を捩って痛がっている。
無言で近寄り、ナイフで止めを刺した。
石ころで魔物を始末する芸当は、俺にはまだ早かったようだ。
おかしいだろ、レベルだけなら炎天族の子供より高いはずなのに。石でカピボー退治すらまだできないとか。
すでに、ずたずたになる自尊心はゼロよ。
「お、俺だってすぐ追いつくし……」
何回か危険な森を連れ回されたときの、がっちりとした護衛っぷりを思い出すと望みは薄いかもしれないが……いや、もちろん無理はしないよ。無茶をして迷惑はかけられないし。
でもドジって失敗っていうのは多めにみてほしい。
結局は、誰かや何かを当てにすることになるけど。
この上がらないレベルの壁。これを抜けさえすれば、違う世界が待っているはずなんだ。待っているといいよな。今はせいぜい、自分で決めたことを地道にこなすけどさ。
ああそうだ。拘束時間が長そうだし、念のため消耗品の確認でもしておいた方がいいな。日が暮れる前には森を出るようなスケジュールだと思うが、暗くなる前にギルドにつけるかは分からないし。
毎晩出かけるようにしてから、ランタン用のロウソクの減りも早い。一度補充しただけだし、残りはあと一本だった。買い足しが面倒だから、五セットくらい買っておくか。
他に何かあったかな。
ストンリのところに行ってみるか?
詳しくないから、あんまり装備の手入れらしいこともしてないし。頼みがてら話していたら、また何か思いつきそうだ。
そろそろ、防具の相談も真面目に考えた方がいいよな。
欲しい物が幾つもあると、どれもいらないってなるから他の時計やら欲しい物に惑わされて、結局先延ばしになっていた。
簡単に……かはともかく、三千マグくらいならすぐに稼げるようになったんだ。
胸当てくらいなら買えるんじゃないか?
簡易のやつで最低限で千マグと言われたが、できればマグ強化だとか多少は色を付けたい。
「お、いいぞ。気合いが戻ってきた」
やっぱ人生に物欲は必要だな。
ぼやぼやしながら草海原を泳いでいた。
突如、平和な日常を破る、耳をつんざく悲鳴が眼前の草の波間を裂く。
「ぐケェキピィェーッ!」
二つの悲鳴が不協和音を奏で、赤い煙とともに草の合間から生えたのは、ブーツの爪先。
見事な蹴りだ。
どうやら二匹いたケダマを、一度の蹴りでぶち抜いたように見えた。
嘘だろ……。
「やっほータローん!」
ゴールインするランナーのように両腕を上げて、飛び出してきたのは――。
「野生のシャリテイル……」
「何を言ってるのよ?」
「まともな登場の仕方はできないのか」
「なによ、ケダマに襲われそうな感じがしないでもないから手助けしたのに」
感じってなんだよ。下手したら俺の腹まで穴が開いてるところだろ!
「……ありがとうたすかったよ」
「なんだか棒読みね。まあ、いいわ」
一体、何しにこんなところまで来たんだ。いや、この程度の区域に寄ったんだ。
「まさか、そこの山に行く途中?」
でも、あの屈強そうな四人組が入っていったような場所だぞ。ソロで結構な場所を回れるといっても、さすがに厳しいんじゃないか?
「タロウがこの辺に生息してるって情報を得たから、観察よ」
「人を未確認生物のように言うな!」
「なんだ、山に行きたいの?」
逆に聞かれてしまった。
「行きたくないかっていわれたら、嘘になるけど」
「ふーん。いいわよ」
「えっ、そんな簡単に」
「だって、本物の低ランクになったんでしょ?」
「そんな情報は早いよな」
本物って……やっぱりシャリテイルもギルド長の画策の件に噛んでたのか。ナチュラルにゲロりやがって。
「コエダさんから真っ先に聞かされたもの」
大枝嬢か。そうだったな。やっかいなガールズトークってやつ。
冒険者ギルドに守秘義務というものは存在しないのだろうか。そんなわけはなく、ぐるに違いない。
「じゃあほら、行きましょ。その燃料は置いていきなさい」
「誰が草で動くんだよ!」
一人で藪に突っ込んでいくシャリテイルを慌てて追うはめになった。
まとめる時間くらいくれよ。草が風に飛んでいくかも。散らかってたらゴメンと、おっさん達へ心で謝っておく。
それから小声でつぶやいた。
「たのむ、森のなかにおいていかないでー……」
狭い木々の狭間の道なき道だ。シャリテイルもすぐに速度を落とした。俺はナイフをしまって殻の剣を手にするが、働く機会はなさそうだ。
出てきた魔物は、即座にシャリテイルが杖で殴り潰しながら歩いている。
「その杖、魔技の補助用だったよな?」
「もちろん。さあ坂に着いたわ。ここから少しだけ魔物の難度が上がるから気を付けてね」
どうもちろんなのかツッコミたかったが、口を閉じて前方を見上げる。四人組を案内したときに見た急な上り坂だ。よもや来ることになろうとは。
なんの気負いもなく、さくさくと進んでいくシャリテイルに呆気にとられる。歩き慣れてるんだろうが、あれで十分に警戒できているのか分からず不安だ。
「なんてね。脅したけれど、そんなに危険な場所でもないのよ」
「おい」
「ランクが変わったなって思えるのは、この上にある洞穴に入ってからね」
なんだよ。意地の悪いからかいはやめてくれ。
文句を言おうとしたが、口調とは裏腹に横を向いたシャリテイルの表情は真面目だった。
……俺も、もっと警戒しよう。
と思った矢先に、シャリテイルが足を止める。
「あら、ハリスンよ」
誰だハリスン。
シャリテイルの肩越しに前方を覗くが、杖で示された先には草と木々だけだ。
「何も、見えないけど」
光学迷彩使うような魔物なんかいたっけな。
それともマグ感知か?
「頭かくして尻丸出しってやつよ」
「あっハリスンか」
ゲーム中盤以降に開放される森面の内、面を選択してから移動した先にあるという面倒なフィールドがあった。しかも採取物もしょっぱいからあまり行かなかった場所だ。いたよハリスン。そこの雑魚だ。
そう言われて下草の合間を凝視する。柔らかそうな草の中に、植木で見るようなつやつやの濃い緑で、硬い葉の繁った枝葉が不自然に生えているように見えた。
「あれが、尻尾か」
あのケダマサイズの植木らしきものがハリスンの尻尾のはずだ。うまく擬態できてる、と言えるのかこれ?
「良く分かったわね。初めて見たんでしょ? タロウの本からの知識もなかなか役に立つものね」
名前と見た目くらいしか役に立ってないけどな。
レベルも実際とは違うようだし、せいぜいランクが判別できるくらいだ。
こいつはゲーム中レベル19で、面解放後すぐに乗り込んでも楽に倒せる相手だった。
……待て待て、ノマズがゲーム中レベル14だぞ。
「どこが危険のない場所だよ!」
思わず声を抑えつつ叫んだが、シャリテイルは普通に話しているな。視線は草むらの尻尾に固定したままだから、向こうも飛びかかろうと様子を見ているのか。
低ランクの魔物と違って我慢ができるらしい。少し賢い。
「来るわ」
こ、心の準備が。
殻の剣を握りしめるが、動きようのない場所だ。せめて邪魔にならないように、シャリテイルの左後方に立つ。
シャリテイルが魔物を殴りながら歩いているのを見ながら、可動範囲の観察はしていたんだ。あの威力で巨大杖など喰らったら洒落にならんからな。
俺が身をかがめて剣を下に向けたとき、植木が発射された。
「クェゥクェゥ!」
ジャンプしたハリスンは、無防備に姿をさらす。
感情のない黒くつぶらな瞳に出っ歯が目に付く顔、灰色の毛皮に包まれた体つきは、倍でかくしたカピボーのようにも見える。
体と同程度の尻尾まで含めたシルエットは、まんまリスだ。葉っぱ付きリス。葉リス……。命名法則に沿っているんだろうが、リスは居るのかよ。どこから来たんだ。
ハリスンは真っ直ぐには来ず、側の木に飛びつき幹を蹴る。反対側の木に飛びつきと幾度か繰り返すが、素早くて残像が見えるようだ。
追いつけなくて、風が巻き起こったような葉を鳴らす音だけが不快に響く。
いざとなれば、どうにかカバーしようと、シャリテイルの斜め後ろで手に力をこめた。
攪乱するようにシャリテイルの頭上や左右へと飛び移っていたハリスンは、後ろに飛び移ると見せかけて、急反転しシャリテイルに真っ直ぐ跳ぶ。
「シャリテ……!」
「ックェッ!」
シャリテイルは左手の杖を手首だけでくるっと眼前へと回転させ、ハリスンは思い切り杖の頭にぶつかっていた。
弾いたハリスンの体に、シャリテイルの高く上げた足が鋭く叩き込まれた。
「か、踵落とし……」
「クケゥ……」
「ちょろちょろとして、何匹もいると面倒なのよね。一匹で良かったわ」
なんでもないことのように、シャリテイルはふわっと笑う。
なぜかハリスンに同情してしまう俺だった。
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