とあるぬいぐるみのおはなし

 ロコちゃんは女の子です。大好きなぬいぐるみのロココちゃんと一緒にいます。


 ロココちゃんもロコちゃんが大好きでした。それはいつも、『おめめのルビーが可愛いね』と褒めてくれるからです。


 ある日のことです。ロココちゃんのおめめが無くなってしまいました。



 どうしてだろう、なんでだろう。



 ロコちゃんはわんわん泣きました。お母さんが宥めても、わんわんわんわん泣きました。


 ロココちゃんもロコちゃんが見えなくて、とても悲しくなります。



 その頃からです。



 ロコちゃんは抱っこしてくれなくなりました。

 可愛いねと言ってくれなくなりました。

 一緒に居てくれなくなりました。


 ロココちゃんはひとりぼっちになりました。



 どうしてだろう、なんでだろう。



 ロココちゃんは考えて、考えて、ようやく気がつきました。ルビーの目が無いから、ロコちゃんは嫌いになってしまった事に。


 ロココちゃんは決めました。きっとルビーの目を取り戻して、もう一度ロコちゃんと遊ぶんだと。


 だから目を奪ったお父さんに会わねばなりません。

 引き千切った男を見つけねばなりません。


――よいしょ、よいしょ。


 ロココちゃんはのっそりのそりと動き出しました。



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水縹F42さんはルビー・ロココ・ぬいぐるみのお題を使って500文字以内で物語を書いてみてください。


#乙女物書き

https://shindanmaker.com/757824

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