第21話 迷路脱出
あれから、しばらく凛を探したのだが見つかることはなかった。
なんの手がかりも掴めず、仕方なく俺は異世界の扉からもとの迷路に戻ってきた。すると、目の前に凛がいた‼︎
俺が驚いた顔をしていると凛がそれを察し、話し始めた。
「もしかして向こうに靴が落ちてました? 一度入ったんですけど恐ろしい魔物が見えたので急いで逃げてきたんですよ」
「なるほどな。それで走って行く途中で靴が脱げて、向こうに落ちていたのか」
納得した。
「それよりルナ先輩、二人っきりですね♪」と凛は俺に抱きついた。
「あの〜私たちも居るんですけど……」
声のする方を見ると、先ほど助け出した人たちが目のやり場に困るというふうに若干引いてこちらを見ていた。どうやら皆、迷路自体にすでに迷っているので進めないらしい。
俺は凛の腕を振り払い、皆を出口まで案内することにした。
「皆さん、ついてきてください。出口まで案内します。」
凛は残念そうに舌打ちをした。
俺には考えがあった。どんな難解迷路でも、迷路の左の壁に沿って歩いていけば、いつかは出口に着くはずだ。
◇◇◇
俺たちが迷路を出たのは午後10時だった。遊園地はもちろん閉まっている。しかし、遊園地の職員の人たちは俺と凛の捜索をしていたらしく、俺と凛が今まで行方不明者だった人たちを連れて、迷路から出てきたのにはびっくりしていた。
遊園地で行方不明者たちと別れ、凛からは気づかれないように、忍び足で遊園地を抜け出した。
「ルナ、大丈夫だったか?」
1人のはずの入り口で、突然声をかけられたので、驚いてしまった。
俺が声のした方を見ると、マサキが立っていた。どうやら、遊園地の閉園の時間からずっと俺のことを待っていてくれたらしい。
俺は嬉しかったが、あまりマサキと話したり、顔を合わせないようにした。なぜなら、お化け屋敷の件があったからである。俺にも、あの時の自分の気持ちがよく分からなかった。マサキは俺にとって男の頃の親友なのである。俺はマサキのことは勿論好きだが、友達としての好きだった。いい奴だったから……。
だが、今の俺の心の中には別の感情があった。お化け屋敷に入る以前まではなかった感情だ。
結局、家に帰るまでマサキとは口をきかなかった。マサキはずっと話しかけてくれていたいたが、俺はことごとく無視を貫いた。
マサキには申し訳ないと思ってる。俺のことをずっと待っていてくれたし、帰りの元気のない俺にずっと優しく話しかけてくれた。でも、お化け屋敷での一件の恥ずかしさで素直に向き合えない。
家に着き、俺は即ベットに横になった。ちなみにリリムはもう、寝ていた。
「なんだろう?この気持ち……」
カーテンの間から空を見上げると雲ひとつない、満天の星空が広がっていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
どうも、リリムです!
魔物紹介コーナーの第3回目です‼︎
ゲストには凛さんをお呼びしました!
凛・「ルナ先輩ーー!見てますか〜〜‼︎」
リリム・「ちょっとお静かに」
今回は魔界(異世界)でルナさんと一戦交えた魔物を紹介しますよ。
□魔物名:アブダクト□
・ランク:C
・姿:簡単に言うとサツマイモみたいな形で、巨体。一つ目(ツノは2本)
・得意技:武器の棍棒で敵を叩き潰す‼︎
□魔物名:ダクト□
・ランク:D
・姿:アブダクトの2分の1ほどの背の高さ。(ツノは1本)
・特技:アブダクトより、やや小さい棍棒で攻撃。
ということです!凛さん、ここで一言お願いします‼︎
凛・「ルナ先輩が恋しい……」
リリム・「…………………………」
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