目覚めると吸血鬼少女に

第8話

　あれから１週間後。

　俺はあの日からリリムの力を借りて、必死で魔法の練習に取り組んできた。その成果あってか、今ではいくつかの魔法を習得している。

「瑠奈さん、魔法の練習は順調ですか？」

　リリムが練習を見に来てくれた。

「3つ覚えたよ。あと、剣を出す召喚魔法も。」

「それはよかったです！ 私も何かお手伝いできればと思い、魔物について調べたんですが......」

「えっ、本当⁉︎ それは助かるよ！」

「では、説明させていただきますね」

　□□□

　みなさんこんにちは！

　リリムの魔物紹介コーナーです。

　ゲストには、瑠奈さんをお呼びしています。

「え？急に何⁉︎」

　では、早速紹介にはいりたいと思います。

「無視ッッ⁉︎」

　今回の魔物は瑠奈さんがショッピングモールで出会ったあの魔物です。

　名前・ゲッコ

　ランク・C

　姿・背が高く、ヤモリのよう。ポケ○ンのジュカ○ン的な？

　身長・175㎝

　体重・55㎏

　特徴・爪が鋭い 素早い

　戦い方・自慢のスピードで相手に近ずき、爪で切り刻む

　こんなかんじです。

　どうでしたか瑠奈さん？

「今度、戦う時の参考になったよ。ありがとう‼︎」

　ということで、次回もお楽しみに〜(⌒▽⌒)

　………………………………………………………「あっ、そうだった。リリム、これありがとう。」

　俺はリリムから魔法や魔物のことなどが載っている本を借りて、魔法を覚えていた。

「それにしてもその本凄いね。何でも載ってるじゃん」

　これは本当にすごかった。今まで見たことのないような膨大なページ数、そして魔法に関しても事細かく説明がなされている。

「これは魔界•魔導書と言って、魔物や魔法などに関係することがほぼ全て載っているんです。」

　誇らしげにリリムが言う。

「もしかして、この本でさっきの魔物の情報とかを調べてくれてたの？」

「はい！」

「ありがとう。リリムのおかげでこの前の魔物のこともいろいろわかったし、本当に感謝してるよ。」

「瑠奈さんのサポートとして当たり前の事をしているだけですよ。」

　リリムは顔を赤くして、照れながら言った。かわいい。

「話はこの前の魔物の話に戻るんだけど……ヤツの出てくる場所とかわかる方法あるかな？」

「警察も魔物の仕業だとわかって、捜査はせずに、魔物を倒すことだけに集中しているようですし。まだ、よくわかってないです。ですが、今までの被害者のことを調べれば何か共通点が見つかるかもしれません。」

「なるほど！ナイスアイデア‼︎」

　それから早速インターネットで被害者の名前をひとりひとり検索してみた。すると、被害者全員に一つの共通点があることが判明したのだ。それは、みんな、陸上競技で活躍している人ということ。

「ということは、ゲッコは足の速さを何か重要なこととして意識しているということになるな」

　だが、それが殺したのとどういう関係があるのかはさっぱりわからない。

「瑠奈さん、ゲッコは被害者たちの肉体が必要だったんですよ」

「それはどういう？」

「ゲッコはおそらく人の体を乗っ取って生きていく魔物です。なので、自分の体に見合った体探しをしているのでしょう」

　よしっ！だいたい分かった。それなら今日の夜から使い魔のコウモリを使って、これから襲われそうな陸上選手を監視しておこう。」

　俺にしてはいい案だと自分ながらに思う。

「瑠奈さん、すごいですね！私もその考えに賛成です‼︎」

　そうと決まれば、今日戦っても大丈夫なように準備しておこう。