第37話 ゼロセンチから十五センチの距離……(9)

 だからクラス……いや、全校生徒に相田は僕だけの彼女モノだと知ってもらうのに良いチャンスだった筈なのに……。


 実際僕に『擽る!』と、いった行為をしてきては甘える相田だけれど。僕達二人はプラトニックな恋愛をしていたよ。


 先程からが合唱をしている「A・B・Cはぁ~ん、E気持ち~♪」の内容のような事は一切していないし、手すら繋いで歩いた事すら無い。


 だから担任の先生に見られようとも気にする事もない訳で。今になって思えば、相田のように僕も黒板に書かれた文字をムキになって消そうとせずに放置をしてれば良かったと思う?

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