黒板に書かれた男女の傘マークと十五センチの距離!

かず斉入道

第1話 男女のグループ

 入学式も終わり、学校生活にも慣れた頃の、五月の連休前の十二歳の僕。

 どの学校、どのクラスも、このぐらいの時季になると、仲良しグループいう物が出来上がると思う。

 男子ばかりのグループ、女子ばかりのグループと、中には男女混合のグループ迄もが出来上がると思う。

 そんな多々あるグループの中で僕が大変に仲良くなったグループは、男女混合のグループと言う奴で、僕の席を中心に男女六人で構成されたグループだったよ。


 特にうちのクラスはもう四月の後半になるこの時期に入っても担任の教師が忘れてるいるのか?


 それとも面倒なのか?


 出席番号順のままで、席替えを行っていない状態なのだ!


 僕が他のクラスの友人などに尋ねてみても?


 他の組では席替えの方は大半が終わっていると聞くのに。どうしてだが解らないが?


 うちのクラスに限り入学式の時に決められた出席番号順のままなのだ。


 まあ、それが功を奏したのか?


 出席番号順のままでの状態期間が長い事もあり。僕達の一班は男女混合で、十二歳という思春期の年齢のわりには、男子と女子という意識など余り関係のない大変に仲が良い者同士のグループに育った。


 だから授業の合間の休憩時間はもちろん、六人でいつも雑談。

 お昼の昼食タイムもお弁当若しくは売店に行き──パンと飲み物を購入して、わざわざ席を囲んで雑談しながら仲良く、いつも六人で食べていた。


 それに授業が終わると放課後等もよく雑談をしていたぐらい仲が良かったのだ。


 それぐらい仲の良い僕達の班だったのだが。


 ……あの日のある放課後を境に、僕達の関係は徐々にだが変化をしてしまった。



 ◇◇◇◇◇



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