再就職
何も言い返せずショックのままにわたしはハローワークへ戻ることになった。今ならそれも労基法違反だとわかるのに、当時のわたしはそれを真に受けた。わたしには何のスキルもないことがわかり、事務職以外の仕事を探す必要があった。でもそれもこの足では難しいことは明白だった。
ハローワークの方に言われ、就職活動の前にまず事務のスキルを身に付けることにした。わたしはパソコン研修を受けることになった。しかしわたしは見事にパソコンが扱えなかった。講師の方からも匙を投げられそうになったが、わたしはなんとかWordとExcelを使えるようになった。
そうして改めて就職活動を始めるも、今度は前の会社を1ヶ月弱でやめていたことが足かせになった。どの会社でも聞かれた言葉がある。
「どうして前の会社をこんなに早くやめられているのですか?」
わたしは何も言えなかった。使えずに首になりました、なんて、口が裂けても言えるはずがない。
就職活動は一度目以上に難航した。わたしは何枚履歴書を書いただろう。やがて噂が広まったのだろう、会社には相手にもされなくなり、わたしは事務職につくことを諦めた。
とはいえ、この足で就ける仕事も多くなかった。わたしはこれからどうすればいいのか悩み、ハローワークで愚痴を吐きながら毎日障害者雇用の枠を探していた。……やがて、服を作る仕事が見つかり、わたしはその仕事に採用された。前の会社をやめてからここまで、半年もの月日が流れていた。
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