本日の一品：　焼鯛のだし

　焼鯛一尾と酒大匙3くらい、後はネギと生姜を加えて水をひたひた位まで入れてから煮たてる。沸騰して5分程度、一度火を止めて軽く冷ます。

　後は濾して出汁とする。鯛めし、素麺などに美味。味付けする際は薄口または白醤油と酒くらいで、みりんとか砂糖はいらないかな。

　出汁ガラのタイ自体も解してツナ代わりにすると美味。

　酒の〆に呑むと二日酔い対策となる。

本文

　少々危険なネタを連呼して売りこむ事は多々ありますが、連行されてそれっきりと言う事は・・・・・・・・・・・滅多にない事であります。って、あったら困るでしょう。

　土用の丑を危ない中国ネタを連呼しそうになって消されそうな作者@流しの魚屋でございます。

　今回は連呼・・・・・・・・ではなく連子鯛について騙りたいと。連子鯛、真鯛の代用品として焼き物によくつかわれる鯛でございます。少々真鯛と顔つきが違っておりますけど焼いてしまうなり作ってしまえば真鯛と区別のつく方なんてほどんど居りませんでしょう。お食い初めなどで利用されることも多い魚でございます。今となっては輸入物の魚に押されているのは良くある話なのですが、冷凍物の焼鯛の表記を見てみますとよくこの鯛が使われております。別名キダイ、黄色みがかった筋を持つ桜色の魚であります。

　さて、この魚は美味なのですが真鯛よりも格下に見られておりまして海の機嫌が宜しければ同サイズの真鯛よりも格安で手に入ります。勿論格下だからって真鯛より味が落ちるかと言われれば否と答えましょう。大型のサイズがないので刺身としての歩留まりが悪かったり、やや水っぽいから刺身として見栄えがしないとか言われますけど焼き物、煮付け・・・・・・・・刺身でももちろん美味ですが、皮目を生かして湯引きだの酢締めだのにして頂くのが美味であります。

　個人的には連子鯛を焼いてだしを取ってから素麺などのつゆにするとか、鯛めしなんて言うのも推してみたいものですけど贅沢であろうか？

　上品な白身と旨みを秘めたお骨様は余すところなく美味の可能性を広げてくれるものであります。

　勿論お客様も鯛としてご購入される方が多く、祝い鯛として利用されたいとか言われる事が多いのでありますから下処理を承るときはその点を留意しておかないと思わぬ面倒事の元となります。

　よくある話ではございますが、若いのがこれの下処理を承りまして普通の焼き魚をやるように腹を裂いてから御提供したら後程苦情となりまして・・・・・・・謝りついでに新しく作り直したものをお持ちした経験がございます。これが、一般のご家庭でしたのでこの程度で済みましたけど、某自由業の方々のご注文でしたら一本とかわけのわからないこととなりそうでしたね。

　あの業界の方々ときたら古臭い流儀を態々守ってご注文される事が多いですから・・・・・・・ある意味、古い文化を継承している部分があるのでしょうね、私共の店にそのような注文をされる事はまずないのですが。彼等は見栄で生きている部分がありますしね、腕がたつとか名店と呼ばれる所で頼まれる事が殆どで私に頼むなんてどこの三下だと・・・・・・・おっと危ない、色々問題ある発言でしたね。普段使いの物を頼むときは良い部分買われる上客ですから馬鹿にしてはいけませんね。寧ろ団塊世代超えた・・・・（お察しください）

　まぁ、そういう使われ方がする鯛でございますから色々とお客様の方でも扱いに困ることがありまして「にーちゃん、やりかたおしえて？」

　だの

「塩振ってくんない？」

　だの

「焼いてくれ！」

　と言うご注文やら質問が・・・・・・・・それだったらあらかじめ焼いてある鯛をご購入していただければと言うのですが、冷凍物はいやだとか、高い！だのと言われるので（実際に高いです。）苦慮するところであります。

　因みにできる部分はやり方を教えるところまでで、塩を振るのは添加物表記の問題で出来ませんし、焼くとなれば他部門（主に惣菜部門）との連携や焼く技術を持っているのがいないとか手間賃を取らないと損ばかり出るとかいう部分で行っていないところが大半です。（これは私の知る限りでありますが大手のスーパーチェーンは大体こんな感じです。）　

　前には焼くところまで行っていた店もありましたが、焼く手間賃が高いと言われたり仕上がりが想像と違っていると苦情になりましてお断りするようになったというのも実際に見ております。あの店は、パートの婆さんが一人でやっていたから量は出来ないし、技術もそれほどでもなかった部分がありましたから当然と言えば当然かと言えるけど・・・・・・・・私も焼鯛の技術はないに等しいので注文されても焼くところは出来ませんよ。ちなみにその当時の店での焼き賃が1000円、安いか高いかは立場によって違うのでしょうが焼鯛は一時間くらい拘束されますので私から見たら十分安いかと・・・・・・あと、焼鯛は焼きたてを饗ずるものではありませんので冷めていて当然なのですよとぼそりと綴っておきましょう。

　祝いの品なのにつまらない値切り方をするのはどうかと思うのですが、お客様の器量の問題だと言い切っておきましょう。

　あと、祝い事は判るんだから前もってある程度の予約とかして欲しい物であります。いきなり鯛を焼いてくれと言われても無理だし鯛がない事だって・・・・・・・・・・・・

　無理を通すことも職人の技量と言われればそれまでなんですが、祝い開始30分前で出来るか！

　ところで主任、何で肩を掴んでいるんで？なになに、ばろちゃん(仮名)が不謹慎なネタを連呼して販売しているから連行しようと思ったって？ちょっ！そりゃないでしょう！うわぁぁぁぁぁぁ！

（作者は連行されました）