第7話しおっこりもなく

今日の一品:汐子のサラダ風


汐子(かんぱちの幼魚)は刺身用に捌いて、薄く切る。

適当な生野菜の上に並べ、好みのドレッシングをかけて喰らう。

アクセントが欲しければフライドガーリックだのナッツがお勧め。


私個人の好みで言えば、ゴマドレッシングか中華風、和風なんかも良く合う。

シーザー系は少しくどい気がする、サウザンアイランドも悪くはないがそれの味しかしない。


麦酒も悪くないがビールは熱いものを食べるときに流し込むようにするのが好みだし、ワインだと甘味が後に残る・・・・・・・バーボンなんかが良いかな。純米なんかも嬉しい。



本文


 かんぱちは24匹いません。性懲りもなく駄洒落をかましていますがこれは仕様です。しようがありません、しょうがはあります。




 汐子・・・・・・・・・何処までの方言であろうか、かんぱちの幼魚である。ショッコ、シオコ等と言うらしい。たまに入荷するのであるが大人のカンパチとはまた別な味わいがある。脂っ気が少なく、一段堕ちると思われるだろうが、10キロを越える大カンパに比べると私はこっちの引き締まった身とやや酸味のある旨味が好みである。鮮度の落ちが少ないのも販売する側としてはとても便利である。同サイズのイナダに比べても一日か二日くらい更に持つ。また、当たり外れが少ないのが安心なのである。

 汐子の刺身と言ってもぴんとこないので天然カンパチと称するのであるが、カンパチと聞けば客も高級魚と認識しているので食いつきも良い。後は刺身にしたときに色変わりも少ないので盛り合わせに入れても安心である。イナダと大違いである。


 この汐子、丸で売ってもまるで売れない。何故か刺身にすると売れてきて、盛り合わせに入れておくとウケがよい。一品で食べるのではなくて、色々ある中で見かけるのが嬉しい魚という認識なのだろうか?切り方を変えて4点とかすると白身尽くしかと勘違いする客もいたり・・・・・・・・・・(後でネタばらしをしたら怒られた。)、養殖ブリ、汐子、ヒラマサの御三家盛を作ったら区別つかないと苦情になったり・・・・・・・・・・・・前の話で出てきたイサキなんかも産地別でイサキ巡りなんてしゃれたメニューにしたら内々からどれがどれだと怒られた。


 汐子は刺身と言うイメージがあるからか、切り身で売っても売れないのである。ブリと違った締まった身が特徴なのであるが知名度なのか好みなのか・・・・・・・・・・

 刺身に飽いた私が性懲りもなく切り身にすると・・・・・・・・・・売れ残るのである。 

 後日、刺身用と刺身で売ってみたら普通に売れていた。かんぱちに対する偏見に悲しみが……煮つけたりしてもうまいのに……

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