【Mr.ジャスティス】
サクライ警部
よく考えたらこれもオリジナル組織である『世界警察』。警察組織としての対象が文明国家全体にいき渡っている組織、という認識ですね。各国警察とは別……というか、その上に位置する司法の番人。主要国家に支部があり、本部はアメリカ合衆国。サクライ警部はその本部所属の現場最前線指揮官、といった立ち位置となっています。
本名、
プロト版には名前も、もっと言うなら『世界警察』という組織しかありませんでしたが登場回数はけっこう多く、冬春の中では「毎回出てくるモブの中でも上位のモブ」みたいな感じで書いてました。ウィル警部補と合わせて、どこかコミカルな役どころだったと思います。先輩後輩もこの頃から。
さて、このサクライ世界警察本部閣下。実は唯一、現実にいらっしゃる方からお名前を拝借したキャラです。
本編の強盗童話を書くにあたって、この『警部』にも名前をつけなきゃ、と思っていた時、もうなんとはなしに惰性というかノリだけで当時、冬春が働いていたレストランのシェフに名前を(作中で使うので)貸してくれませんか、と頼んだところ。
『いいよ。本になって売れたらあとがきにでも書いてよ』と快くOKを出してくれたのでそのままGOだったのです。『正義』というお名前ではないのですけれどね。
帰るべき家もある、日夜高額犯罪者と戦い続ける不屈の男、サクライ警部。
ゆるやかに腐敗していく社会でのひとつの憧れの形として、カラーズや――賞金首にさえ憧れがいってしまう時代の中、まったく関係の無い、日々をその人なりに行き抜こうとしている、
桜花が正義の紋、というのは日本の文化ですけれど。彼は(冬春の)うっかりでその体現者みたいな名前と立場を持ってしまったわけで。
彼の下で、同じように命を懸けて現場に挑む者たちは、その瞬間に、幼い頃かつて憧れたモノになれる――それは、錯覚ではなく。
正義の味方として、その場所に立つことになる。
自身が何者であれ、悪を討つことで英雄になった男。
法では守れない者たちを守るために、この世界最大の悪になった男。
その二人とも違う、法の庇護下にある者の生活を守るために戦う男。
リカーやアーサーとは本当に相性が悪いみたいですが、サクライ警部はきちんと己を通せるのです。
一側面から見たらやっぱり司法で守れない人々がいるのも確かですけれど。
「先輩がそんなんだから、って言ってるんです。なってみたかったんですよねー。正義の味方ってやつ。まさかこんなに辛いとは思いませんでした!」
頭の硬い、主義を変えられない古い男ではあるんですけれどね。
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