第二十話

どうして帰ってこないの?

あれから数年は立ったかも知れない

あれから何一つ連絡はない

置いて行かれた、僕はいらない子なんだ

そんな負の感情が俺を支配していた

ここに来た頃はここの手伝いとか色々してたけど

少し経つと俺はずっと部屋に引きこもっていた

起きてドアの前に置いてあるご飯を食べて寝るその繰り返し

そういえばこの家にはおばさんともう一人俺と歳が近い女の子が住んでいた

何度か顔を合わせたことがあるけど


コンコン という音でうとうとしていた意識が覚醒する


「和葉さん怜奈です、起きていらっしゃいますか?」


噂をすればって奴かなボサボサになった頭を掻きながら扉を少し開ける


「何ですか?」


目の前には中学の制服だろうか?制服を身にまとった長く綺麗な黒髪そして7:3で分けられた髪にそれを止める花のヘアピン


少女が僕を見上げていた



「えっと、そのー、あのですね、、、」


少女は何か言いたげだが一向に言葉が出てきそうにない


「何かあるならはっきり言ってくれますか?」


「あの、買い物に付き合ってくれませんか?」


少女は少し潤んだ瞳で俺を見るぎゅと握っている手は震えているが

俺をしっかりと見ていた



「買い物?何で俺が付き合わないといけないんだ?」


「目的地が少し遠くて、そのお母さんが一人じゃ危ないから和葉さんとならって」


どうして俺なんだよ友達、、、、、、いやそれも駄目って言われたのか?

聞かなくて勝手に行けばいいのにいちいち聞かないと何も出来ない子なのかただの真面目ちゃんか

まあ俺がついていく必要も無い


「嫌だ諦めろ」


俺は扉を閉めようとすると少女は扉に手をかけ止める

その事により扉を閉めれなくなったこのまま閉めようとすれば少女の綺麗な手を挟んでしまう


諦めて手を話すと少女は扉を勢いよく開け

抱きついてきた


「お願いします!!今しか手に入れられない限定品なんですっ!!!


柔らかい体に鼻をくすぐるいい匂いに包まれ

俺の脳は考える事をやめていた

落ち着くんだ俺落ち着け


そういえば女子と触れ合った事、いやまともに話したのも小学生以来だから落ち着くのは無理!!


「わかった、ついて行くから離れてくれ、な?」


かろうじて出たのは行くという言葉だった

少女を引きはがす


心臓はまだドクドクと激しくなっている


嬉しそうな少女の顔を見ながら


もうなんでもいいやと思っていた






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