第十五話

あれからはよく覚えていない

気づけば保健室のベットに寝ていた


視界が赤色に染まっている

窓から見える夕焼けが輝いていた


ーーもうこんな時間か会議も終わっているだろうし

謝って帰るか


ベットから起き上がり場所を区切っているカーテンを開ける


「起きたのね、おはよう白崎君」


白衣を着て緑のセーターを着て

髪を束ねている人物が声をかけてきた


「おはようございます。工藤先生」


工藤くどう 明美あけみ先生はこの学校の養護教諭でもあり保健を教える教師だ


「先生、俺は?」


「貴方は校舎裏で倒れていたのをたまたま通りかかった生徒会の城山さんが見つけて、それでここに運ばれたのよ」


「近くに男子生徒が倒れていたはずですが」


「松尾君は病院に運ばれたわ、しっかり事情は彼に聞いたから大丈夫よ」


ーー事情があるとはいえ手を出したから俺は


「停学とかですかね」


「その事について今会長さんと学園長、教師の方々が会議しているけど、多分一、

二週間の停学で済むはずだわ」


ーーやっぱりかでもまあ仕方ないか


「俺委員会行かないと行けないので行きますね」



先生は何も言わず俺を見送ってくれた


紅く染まった廊下を歩く窓から見えるグラウンドでは部活をしていた生徒達が帰る準備をしていた


ーー時間からして1時間たってるかたってないかってぐらいか


その時視界に黒い何かが写り揺らいだ

そしてめまいがして

呼吸が荒くなり壁に手をついて座り込む


ーーいまっ、のはっ?心臓をぎゅっと掴まれるそんな感覚に襲われた

もちろんそんな事経験したことがないからただの例えだが



そのままゆっくりと立ち上がりふらふらと風紀委員室に向かう




風紀委員室には先輩と怜奈が座って話をしていた


「先輩会議、参加出来なくてすみません」


「いや、大丈夫だそれより体調は和葉?」


「そうですよ兄さんすぐに帰って休んだ方が」



「大丈夫です体はなんともでもそろそろ日が暮れるので帰りまっ、、、!?


ーーまたさっきの奴だくっそ何だこれ何かが俺の中に入ってくるような

俺の体どうしちまったんだよ


ーーかーーーかずは!!しっかりしろ和葉!!!!」


先輩の声が耳元で聞こえる


「だいじょうぶですめまいがしただけで、すぐ帰ります」


部屋を飛び出てそのまま昇降口に走った








「怜奈、さっきのは」


「信じたくはないですが、、、」


「今朝私が見た時はまだ、だとしたら」


「病院に送られた松尾先輩が関係あるかと」


「和葉がこうなった以上もう無関係ではいられない、早くしなければ処理しないといけなくなるが分かっているな?」


「はい、できれば今日中に」


「わかった、この後は作戦道理に」


「了解です、リーダー」


怜奈が教室を出ていったあと

立ち上がり窓際にある壁によっかかり連絡を取る



「私だ、和葉に奴が住み着いた、しっかりと私の目で確認済みだ、奴がどのようになるかはわからないが、植え付けた奴は星章の件に何かしら関わっている可能性があるそっちで調べて置いてくれ」


通話を切るとメールが端末に届く


ーーこんな時にも湧いて出てくるのだな


鞄を持ち外へ歩き出す




この最悪を創り出した貴様は何を思い最悪を世に解き放ったのか

考えてもわからない

白崎博士、貴方ならこの答えを知っているでしょう、

だけど私は答えを知りたくはない

私が求めているのは答えではなく最悪の消滅ただそれだけだっ!!

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