第七話
「高等部一年 白崎 和葉、至急風紀委員室に来るように」
午後の授業が終わったお昼時、幼馴染みの八神静香と一緒に中庭の日陰のベンチで昼飯を食べている時だった
「かずくん!何かやったの!?」
静香が俺を肩を掴み思いっきり揺らす
「やめろ、俺は呼び出される様なことはやっていない!」
少し声を荒らげた
すると静香は俯いてしまう
「ーーだってかずくん最近一緒に帰ってくれないし、、、心配なんだもん」
ーーもんってなんだよもんって、それよりも
「心配してくれるのは嬉しいけど、俺は呼び出されるような事はしてない、理由として思いつくのは、、、」
ーーこの前の屋上であった黒髪の先輩確か風紀委員だったっけ
「風紀委員会の先輩と一応顔見知りだからそれでかな?」
一瞬静香の目が光ってような気がした
「ねえかずくん?その先輩とは何処でデアッタノ?」
「えっとこの前屋上で夕日を見てたら先輩が来て」
「へえ?そ・れ・か・ら?」
「あっちが突然、自己紹介してきたから自己紹介して俺は直ぐ帰宅したが?」
「そうなんだっ、あっかずくん!先輩も待たせてるんだから早く行かないと!」
確かに先輩を待たせるのは良くないよな
「行ってくる、後でな」
昇降口歩き出すがまだお礼を言って無いことに気づく
「弁当ありがとな、美味しかったよ」
「うんっ!また食べたい時言ってね何時でも作ってくるから、毎日でも!!」
「気持ちだけ受け取っておくよ、ただでさえ静香の家は学校から遠いのに」
「大丈夫だよ、かずくんのお母さんに頼まれたし、それにかずくんが不健康な食べ物を食べ過ぎなんだから!!」
「ありがとう、静香 風紀員の教室行ってくる」
この学校は中等部と高等部に分かれている
校舎を真上から見ると多分「コ」みたいな形をしている
上が中等部したが中等部それを繋ぐように建てられた部分に委員会や部活で使う教室や職員室などがある
ーー風紀員室は中等部と高等部を繋ぐ廊下で多分3階か?
放課後に校内を歩き回っていたものの
ここが何部や委員会が使う教室、などをあまり気にしていなかった和葉には風紀委員室がどこかわからない
一年の時に貰った校内マップを思い出そうとしながら
進んでいると前からプリントの山を抱えた女子生徒が歩いてくるのがわかる
ふらふらと足元がおぼつかない足取りで
今にも転びそうだ
女子生徒に近づきひょいと紙の束を半分以上持ち上げる
ーー確かに少し重いな
女子生徒はびっくりしていた
「何処に持っていけばいい?」
「ーーしょく、、いんしつ、、、です」
黒い猫耳パーカーにパーカーから少し飛び出した白い髪の少女は申し訳なさそうにしていた
「俺が手伝いたいだけだからから、そんな申し訳なさそうにしなくて大丈夫だよ」
職員室へ歩き出す
少女もその後ろを着いてくる
ーー無言の沈黙
この時間はまだ昼食時間のですれ違う生徒はいない二人の足音だけが廊下に響いていた
しばらく歩き続けると職員室と書かれたプレートが見える
「あっ、、あの、せんぱい? あとは、だいじょうぶですから」
「最後まで手伝うよ、俺はやると決めたことは絶対にやつタイプの人間だからな、俺はわがままなんだ」
「ふふ、、なん、ですかそれ、、」
少女が笑う
ーー可愛く笑うと可愛いななんか小動物みたいな守ってあげたいような
少女は職員室へ入っていったので俺もそれを追う
「ご、、とう、せんせい、、ぷりんと、持ってきました」
「おお、ありがとうな」
ーー後藤先生?どっかで見たことあるなと思ったらサッカー部の顧問の人か
「それと白崎、ありがとな持ってくるの手伝ってもらってしまって」
「いえいえ、僕は彼女が困っていたので助けただけです」
「それはそうと白崎、さっき放送で呼ばれていたがもう用は済んだのか?」
あっ、、、、
忘れてたあああああ!!
「今すぐ行ってきます!!失礼しました!」
礼をすると一ノ瀬さん?に向き直り
「一ノ瀬さんまた何か困った事があった言ってね、じゃ」
そう言って足早に職員室を出て扉を締め
廊下を走る
やばい、やばい、先輩を待たせてしまった!
もう10分くらいたってるよな?
必死に風紀委員室へと走る
ーーそういえばあの子の名前聞いてないな
まあまた会えるか、その時に聞こう
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