第三話

朝日が反射し水がキラキラ光っている海沿いを全力でこぐ


「うおおおおおおおっ!」


額や腕に汗をかいているが

風がそんな汗を吹き飛ばすくらい、

俺らに向かって吹いてきている。


「お兄ちゃん!もっとはやく!」


「いやこれでも全力で漕いでるって」


今から仕事に出かけるサラリーマンや犬を散歩している人がいるくらいの、

人通りの少ない道を進んでいく

駅の近くまで来ると

自転車を専用の駐車場に置き

駅に向かって走る

階段を一弾飛ばしで登る


「お兄ちゃん!早くもう電車行っちゃうよ!」


駅内の天井を見上げるとホログラムによって時刻表が映し出されていた


「もう来るじゃねえかっ!」


急いで改札を通り階段を駆け下りる


ちょうど電車が到着していた


俺が走り込むと同時にドアが締まり電車が出発する


「はあはあっ、なんとか間に合ったな」


座席の端っこの壁に寄りかかり息を整える

俺の電車に乗ったあとの定位置だ


「で?なんでアラームの時間をずらしたんだ?」


目の前で俺を見上げている怜奈に言う


「んーとねー覚えてないっ!昨日目覚ましのいじってたのは覚えてるんだけどその後の記憶が」


「まあ俺には関係ないからいいんだけどな」


朝の集まりもないし早く行かなければいけない用事もない


「えーお兄ちゃんが起きなかったから私が起きられなかったんだよ?」


何を言っているんだこいつは


「いや、そもそもお前が1人で起きられれば問題ないだろ?」


中2になっても起こさないと起きれないのは問題がある


「お兄ちゃんが目覚ましの代わりだからいいもん」


「もんってお前な」


電車が泊まりドアが開く

どうやら次の駅に着いたらしい



「あれ?かず君と怜奈ちゃん?」


目の前の黒髪ポニテ少女は八神静香やがみ しずか

八神神社の巫女でもあり俺の幼馴染みでもある


「おはよう、静香」


「おはようございます、かず君と怜奈ちゃん」


「おはようございます、八神先輩!」


制服越しからでもわかる二つの山がいつ見てもいいながめっっ!?

寒気が走る


静香の後ろにいる怜奈を見ると、

ものすごい笑顔だった

笑顔が怖いよ怜奈さん


「一ノ瀬もおはよう、髪の毛跳ねてるぞ?なおそっか?」



静かの次に猫耳付き黒いの上着を来たちょっと髪の毛が跳ねてる白髪少女が乗ってくる

彼女は 一ノいちのせ明日香あすか

今年の春にうちの学校に転校してきた子

静香とは親戚で八神家で暮らしているらしい

猫耳フードとか鞄についている猫の尻尾のキーホルダーから分かるほど

猫好きで、よく近所の公園で野良猫と遊んでいるのを見かける


「だいじょうぶ、、、です、先輩おはよう、、、、ございます」


口数は少ないが同じ猫好きとして話し合ったりできるいい後輩だ


「あれ?怜奈ちゃん今日は生徒会の集まりがあったんじゃ?」


「お恥ずかしながら寝過ごしてしまって」


「そうなの?怜奈ちゃんが寝坊なんて珍しいね」


そりゃそうだ何時も俺が起こしているんだから


「お兄様がアラームの時間を間違えてしまってそれで、寝坊してしまってこの時間と言うわけです」



いやいや、勝手に俺のせいにするなよお前だからねお前

俺がなんかドジキャラ見たいにするのやめてね


怜奈は基本知り合いがいる時や学校にいる時は猫を被っている

何故かはわからないけど


「かず君?怜奈ちゃんにあんまり迷惑かけちゃダメだよ?」


迷惑かけかけられてるのはこっちなんですが、、


まあこれがいつもの光景なんだけどな

今日もまたいつも道理の日常が始まるのか


そう思いながら目的の駅まで話に花を咲かせていた

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