第12話 祝言
景勝が春日山城に戻ったのは、それから数日後のことだ。紅が菊を救出した後、すぐ御館を攻めて、景虎側の有力な武将・
菊はこの日初めて、夫となる人の姿を見た。
(なんだかちょっと……怖そうな人)
戦から戻って
婚姻の儀式が行われたのはその翌日だった。
化粧の間で
ようやく
日に焼けて
(緊張しているんだろうか。先代は戦では神がかった働きをしたというが、この人も神経質な方なんだろうか。それとも)
そもそもこの婚儀自体、気が進まないのではないか。
この時代、身分が上の者に恋愛結婚などあろうはずもない。政略結婚など
(澄んだ目をしている)
婚儀は三日続いた。
二日目までは、婿嫁ともに
菊は小袖、
一通りお
それまで
「これは
(これが、側室の?)
会うのは初めてだ。
だが、女の顔を見て菊は
さらさらと流れ落ちる
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