6.デート

翌日の昼休み。

俺はみんなにプランを伝えていた。

「・・・・ってなわけで当日はそんな感じで行こうと思うんだけど、誰か周辺で美味しいご飯屋さん知らない?」

「それなら私美味しいパスタ屋さん知ってるよ」

「真田さんありがとう、みんなパスタ屋さんでいい?」

「いいよ、凛は?」

「うん」

「俺も大丈夫」

三上さん、櫻井さん、巧が口々に言う。

「それじゃあきまりで。当日は駅に11時集合でお願いします」

「はーい」「りょうかい」「うん」「おっけー」


なんとか話はまとまりその日の放課後。


「なあ巧、俺どうしよう?」

「何が?」

「当日俺何着て行こう?中学の時はサッカーばっかりで、女の子と遊びに行くような服持ってね〜」

「しょうがねえな、買いに行くか」

「お願いします。でも、安いとこでな。遊びに行く時の金がなくなる」

「善処します」


そんなこんなで学校近くのショッピングモールに巧とやって着た。


「あの人カッコよくない?」「あのこかわいい」

巧と歩いていると年齢問わず女性の視線を感じるが人が多い所ともなるとすごい視線を感じる。

「やっぱ巧ってモテんのな〜」

「何?優くん褒めても何にも奢んないよ〜」

「いや、ただすごい視線感じるなーって。まぁ、そのおかげで櫻井さんと遊びに行けることになったわけだし」

「どうする?櫻井さんが俺に惚れたら」

「えっ、それは、、、」

(考えてなかった、そうだよなその可能性もあるんだよな)

俺は本気で落ち込みそうになっていた、

「心配すんなよ、それはないから。どう見ても櫻井さんは俺みたいなやつ興味ないだろ。それに、たしかに櫻井さんはかわいいけど俺のタイプではないんだよな〜」

ホッと息をつく

「ならいいんだけど」

「それより優、着いたぞ俺のおすすめ」

「俺全くファッションわかんないからコーディネートよろしくな」

「今回だけな。いずれ櫻井さんとデート行くようになった時、毎回俺が選ぶわけには行かないからちゃんと勉強しろよ。雑誌とかは貸してやるから」

「ありがとうございます」

(やっぱ、持つべきものはカッコよくて優しくて頼りになるおしゃれな友達だな。って、俺、巧に惚れる。んなわけないない。)なんて心の中でコントをしているとさっそく巧が何着かの洋服を持って着た。そのまま、巧にされるがまま何度か試着をし服を買った。


そして帰り道。

「本当にありがとうな」

「いいってことよ。こんど雑誌持って行くからちゃんと勉強するように。」

「うん。本当に巧が友達になってくれてよかった。巧がいなきゃ俺なんか、、、これからもよろしくな」

今日のことだけではなく櫻井さんとお近づきになれたこと、巧との楽しい日々のことを言おうとしたが恥ずかしくなり俺はごまかす。

「何言ってんだよ、恥ずかしいだろ。それより今度なんか奢れよ」

少し照れながら下を向く巧。

(くそ、男の俺から見てもやっぱかわいいじゃねえか)

なんて思いながら俺たちはたわいのない話をしながら帰った。

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