第弐話 学校にて


「おーい。休み時間だぞ、起きろ」


さて、いつもの様にクラスメイトの新島にいじま しんに起こされたわけだが、不思議な夢を見ていた気がする。何だっけか?

ま、いっか。

いいっちゃ良いが、なんか嫌な予感がする。きのせいであればいいのだが…


「うん、おはよう」


そういえば自己紹介がまだだったね。俺の名前は荒城あらぎ ぜろという。

得意分野はない、苦手分野もない。一言で言うなら所謂天才という奴だろう。

自惚れてるつもりはないが、本当に何でもできてしまう。


まぁ、こうも平和な日が続いているとだんだんと平和自体に飽きてくる。

何かが起きたらおきたで困るが…

何も起きて欲しくないのに何かが起きて欲しいというのもおかしな話ではあるか。


「新島、次の授業は?」

「体育だぞー」

「マジかよだるいな」

「んな事言ってないではよ行くぞー」


新島が先に行ってしまったので、俺は渋々後をついていく。


グラウンドに着くと、もう一人のクラスメイトの一之瀬いちのせ なぎ(女)と、体育教師の金野きんの そら(男)が待っていた。


因みに金野先生は、俺達生徒から見ると、人を何人か殺してそうな凶悪な顔だ。もちろん、そんなことは面と向かって言えないが…


「よし、集まったか、準備運動をしろ。その後5km走ってもらう。」


何だ、今日は随分と楽じゃないか。

この先生、ひどいときは筋トレ各種を100回の50セットをやらせてくるのだ。


ラジオ体操をやったあと、軽く5km走り、先生の前に整列した。


「お前ら、息切れてないよな?」

「こんなので、息なんて切れませんよ?」

「そんなわけないですよー」

「…切れない」


こんなので息が切れるわけない。

100kmランニングで初めて息が切れるかな?多分


「そうだな、今日は模擬戦は無しだ。走ってもらう。授業が終わるまでな。」

「えー、40分ランニングは余裕でしょー、先生。」

「言い忘れていたが最後まで全力で走れ?空を舞いたくなかったらな」

「あ、はい。」


新島君は今日もまた舞いそうだな。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


さて、授業終わる5分前、新島君が、先生に胴上げされている。

あ?そんなの胴上げじゃねえってか?

俺に聞くな。


「はははははは、高い、高いぞ~」


とか言いながら6mくらい上に投げているんですもん。


「ギャアアアアアアアア!!!」


新島君も楽しそうだし放っておくしかないか。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


そのとき、とある場所にて…


「どうかね?彼は」

「は、彼ですか?」

「荒城君だよ」

「ああ、荒城君でしたか。彼には覚醒の予兆が見られます。新島君はもう少し先かと。一之瀬君はもうすでに覚醒しているようですが、ひたすらに隠しているようですね。」

「詳しい説明をありがとう。お礼にあれの実行許可を出そう。」

「因みに、いつ実行するんですか?」

「今すぐでかまわん。もう神と連絡はつけてある。」

「了解です………校長先生」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る