第50話
「あら、マミさん、あのニューラグーン市議会議員の名前、覚えてる?」
「なに、藪から棒に?」
「名前、忘れちゃったのよ、あの市議の名前」
「姉さん、歳とったからって、そんな、忘れ過ぎよ」
「しかたないじゃない、60過ぎたら、どんな天才だって劣化してしまうわ」
「そりゃ、そうだけど」
「あ、思い出した、議員の名前」
「あら、結局、誰だったの、姉さん」
「うん、イマガワとかいう名前よ、たしか」
「あら、良かったじゃない、名前が出てきて」
「マミさん、私のことバカにしてない?」
「まさか、そんな」
と、コホンと咳払いの声。
「あ、コーエンさん、ごめんなさいね、待たせてしまって」
「コウエンです、弁護士の。
お話は終わりましたか、ではワタクシの用件の話に」
「はいはい、確かあれだ、弟の遺産の話でしたっけ、コーエンさん」
「コウエンです、公園のイントネーションで。
話を戻しますが、そうです、弟さんの遺産についてお二人にお話があるので……」
「はいはい、コーエンさんお座りくださいな」
「コウエンです」
「あ、公園で思い出したんだけど、マミさん、あれがあったの知ってる?」
「あれ、てなによ?」
「待って、…ああ思い出した、公園で事件があってね」
「ああ、思い出した、暴漢をイマドキ弓矢でやっつけた方がおられるんでしょ」
「あら、マミさん知ってたの?」
「ええ」
「あのう、話を……」
ミーちゃんの
「なんか……、実験的だね」
「うん、こういうの、好きなの」
「……こういう形式だと、もっとト書きとか脚本みたいにかくといいかも」
と、アイちゃんがいうと、ミーちゃんは嬉しそうにピョンピョンしながら、こう返した。
「ありがと」
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