第34話

 アイは赤いAS『サマイクル』の機内コクピットで、ウンザリした調子で、通信機器に向かって話しかけていた。




「おい、隠密で行くはずですよね。

なんでこんな騒ぎになってるんだ」

『さあ?』

「というか、入口にMP(ミリタリーポリス)が大量にいたのはなぜなんだ?」




 通信機器はしばらく沈黙していたが、やがてさっきの声とは別の声が返した。

『どうやら、こっちの動向は筒抜けだったらしいよ』

「マジですか……」

と、アイは嘆息ためいきをついた。




「それで、どうしますこれから?」

『……さてはて、

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