第7話 さあ、レベリングだ (2)



『スキル【刀術LV5】が【刀術LV6】にレベルアップしました』

『スキル【剣術LV3】が【剣術LV4】にレベルアップしました』

『スキル【武装破壊LV3】が【武装破壊LV4】にレベルアップしました』


 本日付けで、これで六本目になるマクレンの短刀が御臨終になりました。


 さすがに高レベル帯の奥地で低ランクの武器を振り回していたら、こうなる。

 もうね、なんというかね。

 諦めたよ。


 どうやら【武装破壊】は武具に該当するアイテムを破壊すれば経験値を得るらしい。

 それが例え、他人のものでも自分のものでも。

 例外無く経験値が入ってくる。


 お陰で【彫刻】と【器用】がすごい勢いで上がってったわ。

 いまのステータス見る?


『了。マスターのステータスを表示します。


 種族「ゴブリン」

 名前「アキラ・ミカヅキ三日月暁」(♀)

 LV 7/10


 物攻 1600(「豪腕」効果:物攻×10「鬼神ノ血脈」効果:全ステ×2)

 魔攻 160(「鬼神ノ血脈」効果:全ステ×2)

 物防 160(「鬼神ノ血脈」効果:全ステ×2)

 魔防 160(「鬼神ノ血脈」効果:全ステ×2)

 敏捷 160(「鬼神ノ血脈」効果:全ステ×2)


 スキル…「暗視LV5」「剣術LV4」「隠密LV6」「逃げ足LV3」

     「穴堀LV2」「彫刻LV5」「器用LV6」「理解力LV7」

     「武装破壊LV4」「宝探しLV5」「空腹耐性LV2」

     「美食家LV2」「刀術LV6」「狙撃LV3」「威圧LV4」

     「アルタ言語LV4」「気配関知LV2」「毒耐性LV1」


 ユニークスキル…「豪腕」「起死回生」「鬼神ノ血脈」「共鳴」

         「万象ノ記憶アカシックレコード


 魔法術…「火魔法術LV3」「回復魔法術LV4」


 称号…「転生者」「鬼ノ血」「名前持ちネームド」「下剋上ジャイアントキリング


 ―――――以上です』


 うぇーい。

 もうちょっとで進化出来るZE。

 んでもって、LV7になったときに新しいスキル手に入れたンゴ。


 まず気配関知かな?


 殺気を感じる………!?

 的な感じのスキルっぽいね。

 スキルレベルに準じて効果範囲が少しずつ増えていくんだとさ。

 敵対する可能性がある者、中立的な状態の者、完全に味方あるいは配下の者。

 そんな感じの存在が感覚的に把握できるらしい。

 イイネ。

 使えるスキルだ、うん。


 あと毒耐性かなあ。

 まあこれは言わずもがな、って奴だね。

 毒物に該当するものを食らえばスキルレベルが上がるってよ。

 自殺願望か何かかしら。



 んまあ、とりあえずレベリングしていこう。

 あれからもう一週間くらいハンティングを続けてる。

 やっぱりレベルが上がり難いね。

 あと格上ばっかり相手してたから【回復魔法術LV4】になってた。


 あと【火魔法術LV3】で覚えたのは『火矢雨ファイアロー・レイン』でした。

 火矢の雨が降るのよ、怖くない?

 一回だけ俺も自分で食らってケツを焼いた。

 久しぶりに見たよ、状態異常「火傷(弱)」。


 あ、ちなみに回復魔法術はこんな感じ。


『魔法術:【回復魔法術】…あらゆるステータス異常を回復する魔法術。


 LV1「小治癒レッサーリペア」…小さな怪我や傷口を塞ぐ。(解放)

 LV2「中治癒ミドルリペア」…出血を止め、深い傷を癒す。(解放)

 LV3「大治癒ハイリペア」…刺し傷や抉り傷、大きな傷を塞ぎ癒す。(解放)

 LV4「小状態治癒レッサーアンチアブノーマル」…状態異常(やや弱)までなら回復可能。(解放)

 LV5「中状態治癒ミドルアンチアブノーマル」…状態異常(やや中)までなら回復可能。

 LV6「大状態治癒ハイアンチアブノーマル」…状態異常ならば大抵のものは回復可能。

 LV7「小範囲治癒レッサーレンジリペア」…周囲十メートル範囲に癒しの効果を与える。

 LV8「中範囲治癒ミドルレンジリペア」…周囲二十メートル範囲に癒しの効果を与える。

 LV9「大範囲治癒ハイレンジリペア」…周囲四十メートル範囲に癒しの効果を与える。

 LV10「完全回復オールステータスリカバリー」…外傷、異常ともに癒せないものは無い。


 ―――――以上です』


 LV10が優秀過ぎるんだわさ。

 でもリキャストタイムとか半端無いのよ、たぶん。


 





 眼前の敵を見やり、当代5本目の短刀を下段に構える。

 敵は小柄。

 人間をそのまま小さく押し固めたような、醜悪な姿をしている。

 皮膚には煤けたような灰色に、血色の赤で植物の蔦のような模様が描かれ、それが全身に及ぶ。

 いびつに歪んだ口元と、ギラギラと光る黄色い眼球は、さながら野性の獣を思わせた。


 その名は「アークゴブリン」。ランクCーである中位の魔物だ。

 高度な知識と多彩な魔法術で、熟練の戦士さえ翻弄する。

 ただ基本的ステータスは普通のゴブリンよりも脆弱だ。

 強力なアークゴブリンはやがて幾度の進化をへて「カオスゴブリン」に至る。

 ランクA+の接触禁忌種タブー

 もはやそれはゴブリン等ではなく、一体の化物と化す。

 ゆえにアークゴブリンは、発見しだい抹殺対象となる「懸賞首オーダー」となっている。


 ―――――ぜんぶ先生の入れ知恵だが、かなりアブナイ奴らしい。


 む、むう。

 どうしたものか。

 適当に奥地を散策してたら出てきやがった。

 アークのステータス表示して?


『了。当該魔物「アークゴブリン」のステータスを表示します。


 種族「アークゴブリン」

 名前 なし(♂)

 LV 17/20


 物攻 145

 魔攻 340(「魔才」効果:魔攻×2魔防×2)

 物防 145

 魔防 290(「魔才」効果:魔攻×2魔防×2)

 敏捷 145


 スキル…「暗視LV2」「逃げ足LV3」「穴堀LV4」「精神耐性LV1」

     「魔法耐性LV1」「物理耐性LV2」「集中力LV3」

     「理解力LV2」「空腹耐性LV1」    


 ユニークスキル…「魔才」「共鳴」

         

 魔法術…「火魔法術LV3」「水魔法術LV2」「風魔法術LV2」

     「影魔法術LV1」


 称号…「魔龍ノ森ノ住人」「魔法術師まほうつかい


 ―――――以上です』


 ん?

 なんでステータス数値にムラがあるんだ?

 

『魔物、または魔族は進化することにより、「進化ポイント」というステータスに割り振れるポイントが寄贈されます。また、第一次進化は50ポイントが手に入り、第二次進化は500、第三次進化は5000と、10倍していきます』


 へえ、なるほどな。

 それじゃあアークは魔攻に50全部を振ったんだな。

 みごとにバトルメイジだこと。

 カオスゴブリン目指してんのかな?


 あの物防じゃあ、俺の1500オーバーの物攻は防げんだろうけど………

 向こうさんの魔攻が高い。

 俺の防御力だったら余裕で貫通される。

 でもまあ、スキルレベルが低いのが救いかなあ。

 【鬼神ノ血脈】のユニークスキル持ってないからね、簡単には上がらんよ。



 両者とも、一撃当たれば瀕死だね。

 天秤はどっちに傾くのかな。

 

 ―――――いや、傾かせるんだ。


 負けるわけにはいかない、勝たないわけにはいかない。

 脇を締め、俺は獲物を狙う鳶のように、右へ迂回して突撃した。

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