第三十一

翌朝、お味噌汁の匂いで、父は目覚めると、「ん、母さんか?」と、寝ぼけて台所に探しに行くと、そこには、娘が、一生懸命朝ごはんを作っていた。

「なんだ、お前か」と、落胆して言うと、「何だって、何よ。失礼ね!」と、怒ると「ああ、すまん、済まんな作ってくれて」と、言うと、「俺に、なにか、できることはないか?」と、聞くと、「あとは、ご飯をよそうだけだよ」と、娘がいうと、「おお!すごいな!これ全部お前が作ったのか!」と、驚くと、「小学の時に、よく、お手伝いしてたんだよ。だいぶ経っちゃったけど、作っていたら、勘が戻ってきた!」と、娘は、嬉しそうに話すと、鼻唄を歌いながら、朝ごはんが、完成した。

すると、朝の習慣か、香りにつられて、孝一も起きて、降りてきた。

「ああ、お姉ちゃんか、忘れていたよー」と、寝ぼけながら言うと、テーブルを見てビックリして、眠気がすっ飛んだ。

「すげー、うまそう!今日の勉強はかどりそうだ:」と、いいテーブルに座ると、「ご飯は、俺が盛ったんだ」と、自慢げな父。「盛っただけね!」と、言うと父は、少ししょげるが、三人テーブルに着くと、「いただきまーす」と、揃って言うと、食べ出した。味は期待外れにはならず、全て満足いく物だった。

孝一は、「夕飯は負けられないぞ」姉に、ライバル意識が、出てきた。

姉は同時に、孝一と自分の弁当も作ってくれていた。孝一は、嬉しくて嬉しくて、涙が出てきた。昨日の分までためこんでいたかのように、

「もう、なに泣いていんのよ。早くこれ持って学校行きなさい。」と、言うと、孝一は、「お姉ちゃんサンキュー」と言うと、支度をして出かけた。

父も、仕事へ出かけた。

そして、姉は洗濯物をほし、部屋を掃除機をかけると、自分も急いで学校へ向かった。夏休みだけど、姉の部は、部活があった。

孝一は、どんな、お弁当が、楽しみにしながら、早足で学校へ向かっていた。

ふと立ち止まると、「そういや、お母さんの作った弁当、こんなに喜んだことなかったな。。、」と、思うと、母のありがたみを感じ思いながら、また、歩き出した。

母は、違う男性と一つの布団で、寝ていた。

朝になると、そっと起きて、朝ごはんの準備をしていた。

時間になり。男性が、起きる頃、子供たちも、目覚めて、暖かい朝ごはんを見ると、喜んで食べ出した

「ママ、美味しね」と、言われると、母は嬉しくてたまらなかった。、

本当の家庭では、聞いたことがない言葉。でも本当は聞いていた。

母の耳がマヒっているだけだった。

夫も、「美味いな」「いつもすまんな」と言っていた。

子供たちも「美味しい」「ありがとう」と、言っていた。 

自分が育てた、子供だ、なぜ信頼出来なかったのだろう。

母の理想は限りなくあった。

終わることはなかったのでは、なかろうか?

子供が勉学に励むのは、母の理想だった。子供が机に向かい座っている後ろ姿は、頼もしく見えた、

もっと、勉強をして。母の気持ちはエスカレートしていくばかりだった。

それじゃ、子供に将来なって欲しい職業があるのかと言うと、何もなかった、

望むのは、成績優秀な子供であった。

学年で優秀な成績を取る。

母には、当たり前の事だった。

子供たちが、優秀な成績を取り続けているうちに、母は、満足をして、それからは、学習を、している確認さえ取れれば良くなり、もう優秀なのはわかっていた。、

孝一が、元カノと、付き合っていたことは知らなかった。それで、成績が、どんどん落ちて行ったことも、気付いていなかった。

しかし、今は、その方が良かったと、孝一は、思っていた。

一学期の成績は、上々、後半がんばったので、期末試験の点数は、オール100点で、自信を持って見せれる物だった。

しかし、何故母が、成績に固執して

いたからは、誰も知らなかった。

姉は、頭がいい人が入る大学に行かせたいからだと、単純に思い、中学を猛勉強して、県内優秀の高校に進学、そして今、有名な大学に入るため、塾に入り、勉強をしていた。

姉は、夢がなかった。一流の大学に入ればいいとだけ、考えていた。

孝一は、成績さえ良ければいいと考えていたが、元カノの発言に、ショックを受けていた。「留学、、、」そんな選択がある事を知らなかった。

孝一は、自分ならどの国に行きたいだろだろう?と、考えていた。「外国か、、、」

孝一は、家に帰ると、風呂を作り、夕飯が、作り終わる頃に父が帰ってきたんで、姉は塾で遅くなるから、先に二人で食べることにした。

食べながら、「お父さん、もし僕が、留学できる高校に入りたい、て、言ったらどうする?」と、聞くと、「留学したいのか。」と、びっくりした様に言った 。

「友達が、留学できる高校に入ることに一生懸命で、僕、そんなこと考えたことなくてさ。」

「彼女から聞いたのか?」と、言うと、孝一は、びっくりした。

「彼女?」「え?なんのこと?」

びっくりし続ける孝一に、

「言わなかったか、優しいいい子だな。実はな、この事を話すと、お前は、俺を殴るかもな。」 と言い、しばらく口を紡ぐが、何故かため息吐きながら、重い口を開ける。

「実はな、彼女にお前と付き合うのをやめてほしい。と、俺が言ったんだ。」

「なんだと?」孝一は、すでに怒りの体制入っていた。

父は続ける。

「お前は、成績 優秀な子だった。このまま行けば、いい大学にも進めると、思っていた。、しかし、昨年から、どんどん落ちて行った。

俺は何故だかわからなかった。

ちょうどその時、お前と彼女が仲良く遊んでいる姿を見てしまった。

ただの友達には見えなかった。

彼女は、塾をサボってお前とあっていた。週末もお前たちは会っていた。

これじゃ、お前も彼女もダメになると俺は思った。

俺は、お前たちが分かれたあと、直ぐに彼女二、お前の父だと言って、少し話した。「彼女に将来の夢は?」と、聞くと、「今は、高校で留学できる高校に入ることです 。」と、応えた。「今、その勉強は、していのかい?」と聞くと、彼女は「してないです。」とハッキリ応えたよ。

孝一は、両手に拳を作り、ギュッと握りしめて聞いていた。

それで俺は「今でなくてもいいんじゃないか?まだ、人生は、長い、ハントに惚れあっているなら、高校でも、大学でも、付き合えるんじゃないか?今は、互いに学習修正して、希望校に受かることが、先じゃないか」と言ったら、彼女は、「わかりました」と、言って帰ったんだよ

孝一は、目に涙を溜めて、身体はブルブル震わすて

「いい大学にいってやるよ。だけど、だけど、それからは口だしするなよ。口だしするなよ!」と、声を振るわさせながら、言うと、バンっとテーブルを、叩くと、二階に駆け上がり自分の部屋に入った。

父は、テーブルに肘をつき、顔を手で覆うと「すまなかったな、すまなかったな」と、泣き声のような声をだし、詫びていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る