第二十七

翌日、目が覚めると心優は、落ち着いていた。

大祐も、起きて、妹も起きて、三人で、朝ごはんを、食べた。

しゃけに、味噌汁に、ご飯と柴漬けを、食べると、大祐は、「学校には届け出あるのかな?」と、ポツリと言った。

心優は、「いくとこない!」と、言うと、顔を伏せてしまった。

「おねえちゃん、しばらくあたしの部屋ですみなよー」と、妹は、言った。

「でも流石に一晩帰ってこないのは、親も気になるはずだぜ?」と大祐が、言うと、「なら、他のところへ行くよ」と、家に帰りたくない心優は、意地をはった。

「でも、帰るよ。これ以上迷惑かけたくないし」と、心優は言うと、「ありがとう。ホントにありがとう」と、いい、大祐の家を、でることに決めた。

大祐は、家まで着いて行くと言ったが心優は、学校に言ってと強く言うと、大祐の家をあとにした。

心優は、母と父が恋しかったが、自分は愛されていない事実に家に帰れなかった。

それでも、足は自然と家に向かっていた、自宅の前まで来ると、ハッと気づき、しまったと思い、離れようとすると、ちょうど春一が玄関から出てきた。

「お姉ちゃん」と、春一は、声を出すと、「お母さん、お姉ちゃんだよ!」と、声を出すと、母は、急いで出てきた。

「心優!」と言うと、母は靴も履かず、玄関から飛び出して来ると、心優に抱きつき、抱きしめた。

「心優!心優!」と言いながら、頭をさすり身体をキツく抱きしめた。

「お母さん。。」と、心優は、泣き出した。

「ごめんね、心優、心配かけたね。心配かけたね」と、心優には、理解できなかった。

「私が心配?」心優は、混乱した。

「お母さん、恥ずかしいから、家の中にはいってよ。」と春一が、言うと、母は、「あら私、、、」と、ハッと気づき、「おうちの中に入ろうね、入ろうね」と言いながら心優を抱きしめたまま、母は、玄関の中にはいって行った。

春一の班の子供たちは、春一に聞くと、春一は、「ああ、姉貴が反抗期なんだ。ヤンキーと仲が良くて、家出していたんだよ」と、さらっと言うと、班の子供たちは、「へー、お姉ちゃんすごいねー。やっぱ中学は、ヤンキーだよねー」と、みな、憧れのまなこでいた。

「お、俺たちも、中学生になったら、ヤンキーになろうぜ。」

「うん、なろうなろう!」と、班の子達は、盛り上がっていた。

うちの中に入ると、父とじーちゃんがいた。

「心優、、、」と、父。「しんぱ、、」と、「心優俺が悪かった。じーちゃんが悪かった」と、じーちゃんが泣きながら、心優のそばまで来ると、倒れるかのように、心優を抱きしめた。

「みんな、じーちゃんが悪いんだ、じーちゃんが悪いんだ」と、泣きながら、心優を抱きかかえていた。

「お、おい、親父、俺にも抱きしめさせてくれよ」と、父が言うと、じーちゃんは、キッと、父を睨むと、「腹はすいたか?すいたろう、さ、今飯を用意するからな」と、じーちゃんは、心優を椅子に座らせると、母は、急いで、ご飯を盛った。

すると、心優は、「朝ごはんは食べたから。学校に行っていい?」と、言うと、母は「いいけど、大丈夫なの?今日は、一日休んでもいいのよ」と、言うが、「ううん、学校には行く、心配している人がいるかあら。」と、言うと、二階に上がって行った。数分後、ダダダダと階段を駆け下りて来ると、そのまま、玄関に行き、出て行った。

心優は、そのまま、かけて学校に行った。

すでに、タイムアウトだったが、学校に着くと、玄関から一気に階段を上って行き、教室のドアを開けると、朝礼が始まっていて、先生と生徒は、びっくりした。

「荒井さんっ!」と、先生は言うと、「家に帰ったの?」と、付け足すように言うと、「はい、帰りました。迷惑かけてすみません」と言うと、自分の席に座った。「と、とにかく後で、お話しましょうね」と、言うと、担任は出て行った。

一時限目、社会科の授業を受けながら、大祐に、「ありがとう」と書いたメモをぶん投げると、大祐に当たり、大祐は、「OK!」と、心優に指で応えると、二人は、ホッとし合い、自然と笑みがでた。

一時限目の休み時間、みなが、音楽の授業のため、音楽室に移動していると、大祐は、「怒られなかったか?」と、そっと心優に聞くと「うん。たぶん家に帰ったら怒られるかな?」と、言うと、「親にあわなかったのか?」と、聞くと「あったよ」と、応えると「ま、まあ、いいや。よかったな!」と、言うと、照れ臭そうに歩いて行った。

昼休み、担任の先生は、心優を部屋に呼ぶと何があったかは、聴きませんが、御家族の方が、大変心配していたことは、わかってくださいね。と、言うと、今日は、来てくれてよかったわ。と、先生は、涙を浮かべていた。

「、、、なんで先生が泣いているの?」と、無意識に喋ると、先生は、「もう!っ。」と、言うと泣き出してしまった。

ぽつねんと、ボーと立っていると、先生は「もう行ってもいいのよ。時間もったいないでしょ。クラスに帰りなさい」と、言うと、心優は、「はい、」と、応えるとクラスに戻って行った。

「こんな欠点があったなて、、、」と、ノートを手に持ちながら、担任は悔し涙に変わっていた。

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