第二十四

園子のうちに着くと、「ここがうちだ。」と、真新しいマンションの二階に園子の家は、あった。

「うわー高そうなマンション、賃貸?分譲?」と、美歌は、目を輝かしてあちこち見ていた。「社員寮だ。父が働いている会社の」と言いながら、「ここだ。」といい、ドアを開けると、ダダダダッと足音がしたと思うと、ちいちゃいガキが、園子めがけて突進して来た。

「おねーたん!」と、そのガキは言うと、園子に、ジャンプして、飛びついた。

心優たちは、びっくりしたが、 自分たちにも、弟がいたので。直ぐに慣れた。

「かわいいな、人んちのガキは」と、とまこが言うと、「うちのも、こんな時期あったなー。」と、心優。「うちのは、最近可愛げのなさが、パワーアップしている」と、美歌。

「三人とも、弟いるんだ、て、当たり前か。」と、いうと、「こいつの名前は、磈だ。まだいるぞ」と、中に入ると、「園子、帰って来たの?」と、お母さんが顔を出すと「園子、誰?その子たち?」と、驚いて聞いた。「友達だ」と、少し恥ずかしそうに言うと、「部屋汚されてない?」と、聞くと、「ああ、磈が遊んでたわよ」と、言うと、ダダダと急いで部屋に行くと、「あああ、入れるなって、言ったじゃん!」と園子が怒ると、「お菓子食べさせるな、としか聞いてないわよ」と、「確かに」と、思うと、「悪い散らかっているけど」と、言うと、「うちもこんなもんだよ。」と、とまこ。「全然かわいいじゃん磈」と、美歌。「この子、持ち帰っていい〜」と、心優。磈は、ちゃっかり心優にしがみついていた。

「このくらいの時が、一番可愛いよね〜」と、井戸端会議。

「あら、磈ってば、ごめんなさいね」

「いえ、いえ。」と、三人。

「お茶入れるわね。ジュースがいいかしら?」

「すみません、あがっちゃって。」

「お茶でいいです。」

「お気遣いありがとうございます」

「あの、磈は、いいですよ。磈?」

磈は、とまこの膝の上にちゃっかり座っていた。

「うちの弟も、このくらいの時期がありました。大丈夫です」と、とまこは、磈の頭を撫でくりまくっていた。

「ただいまー。」

「あれ、誰か来てんの?」

「ああ、烈おかえり、お姉ちゃんの友達が来てるのよ」

「友達?」と、ピキっと反応すると、「それ、お姉ちゃんたちの?俺がもっていく!」と、素早く取ると、「失礼しまーす。」と、部屋に入ると、「ほんとだー。女が三人いる」と、そのまま言葉が出てしまった。

後ろから、「すみません、言葉使いが悪くて」とお母さんが、急いで謝ると、弟も「あ、すみません、つい、、、」と、謝ると、「あの。どういう仲なんすか?」と。唐突に聞くと、「親友です!」と、三人は同時に応えた。

「し、親友、、、」

次の瞬間には、園子は気絶してしまった。

「園子、園子、、、」

「あれ?」

園子は、意識を取り戻すと、「あ、自分家だ」と、言うと、「そうだよ、園子んちだよ。」と、三人組が応えた。

がばって起き上がると、「な、なんでいるの?」と驚いているので、「四人で一緒に帰って来たじゃん」と、言うと、園子は「あ、、、」と、思い出した。

「聞きなれない言葉が聞こえて、、」

「親友って、言ったこと?」

「や、やっぱり聞き間違いじゃなかったんだ!」と、またびっくりすると、「もういいじゃん。親友でさ」と、とまこが、言うと。「あたし、園子大好き」と、心優。「仲間が増えて、嬉しいよ」と、美歌。

それを聞いた、お母さんは、我慢しきれなくなり、泣き出した。

「良かった、良かった、良かった」

「お母さん、恥ずかしいじゃん!」

「あんたこそ、気絶したくせに」

「嬉しかったからかな、」と、園子は、赤面しながら言った。

「兄弟は、これで三人になったけど、まだいるぅ〜?」と、心優が聞くと、「まだ、あと二人弟が、」と応えると、「そういえば、烈君はいくつ?」と美歌が、聞くと、「11歳です」と応えると、「小5?」

「あ、はいそうです」と、応えると、「うちの弟と一緒かぁ。」と心優と美歌は、言った。

「うちのは、小6と、小3だ。」と、とまこが言うと、「二番目の弟は、小3っす」といっそう親近感が出てきた。

「あれ?じゃ小学校一緒じゃない?

この辺りだと。」と、美歌が、言うと、「そうだな、この辺りからも通って来ていたなー」と、とまこ。

「お姉様方、お名前は?」と烈が聞くと、「あたし、町田とまこ」

「あたし、荒井心優」「私は星野美歌」

「荒い?星野?。、星野公晃(きみてる)?」

「うん!そうだよ。」と、美歌。

「同じクラスだよ!星野の姉ちゃんなんだ。スッゲー、偶然だなー」

「転校したばかりで、俺まだ、全員とは、話していないんだ。声かけてもいいなかな?」と、公晃。

「もちろんいいよ。弟にも言っとくね。」

「さあさあ、もうでなさい。お姉ちゃんたち、くつろげないでしょ。

ほら、ほら」

と、弟たちを、部屋から出すと、「ゆっくりしていってね。」と言うと、お母さんも部屋から出た。

部屋には、水でお絵かきセットやら、パトカーや、トラックの車のおもちゃやら、散乱していた。

とまこは、水でお絵かきセットで、遊びだし、心優たちは、車を動かし始めた。

「懐かしいねー。よくやったねー。」と、言うと、園子は、恥ずかしそうに、「すまん、汚れていて」と、言うと、「なつかしいよー。昔を思い出して、気分ルンルンだよ〜」と、楽しそうに三人は遊んでいた。

「そ、そうか。このお菓子食べていいぞ。」と、園子がいうと、「いただきまーす」と、言いお菓子を食べると、お茶を飲んだ。

「緑茶いいねー、お菓子と会うね。」と言いながら、醤油せんべいを、ガチガチ食べていると、

「そうだ、園子の描いた絵を見せてよ」と心優が切り出した。

「絵か?人に見せれる物じゃないぞ」というと、「気にしないで、うちら好奇心でみたいだけだから。」と、言うと、とまこと美歌か、ごんっと、頭を叩いた。

「これとかなんだが」と言いながら幾つかスケッチブックを出してくれた。

三人はまじまじと見ると、思わす「うわーすごい!すごいすごい!」と、驚いた。

「これ、本物そっくり!こっちも」と、三人は次から次へと、スケッチブックを見まくると、「はぁ〜、」と、息を吐いた。

「園子、これ、いつから描いていたの?」と、やっと言葉が出ると、「.ん?小1からかなぁ?おばあちゃんちに行くと、おばあちゃんは、孫の面倒が面倒臭くて、いつも、新聞のチラシの裏が白いのと、えんぴつを、渡して自分の部屋に戻っていっちゃったんだ。

でも、それがあたしは気に入ちゃって、家でも描くようになったんだ。」と、懐かしそうに話していた。

「うちのばーちゃん、あたしと春一を、抱っこして離さなかったなー、

」と、心優は言うと心優は珍しく、目がうるうるしだした。

心優は、思い出していた。

ばーちゃんは、心優が泣くと、抱きかかえて「心優は大丈夫だ。頭がいいんだ心優は。ばーちゃんは、わかっているから、安心しろ。」と、心優がわからなくて泣き出すと、言っていた。母は、心優の面倒に疲れて、心優から、離れていた。

父は、見て見ぬふりをしていた。

じーちゃんは、ばーちゃんと同じように、心優と接していた。

心優が泣き出すと、とまこは、「泣きたい時に、泣くのが一番いいらしいよ。」と、言うと、「あたしは、ばーちゃん知らないっ」と、泣き出した。

「私は、おばあちゃんと一緒に住んでいるけど、お母さんと合わなくて」と、言うと、美歌も、うるうるしだした。

「まるで、冷戦時代のアメリカとロシアみたいに、喧嘩にもならないの」と、三人とも泣いていた。

園子は、戸惑うばかりだった。

とまこは、「でも、とまこと名付けたのは、ばーちゃんらしいんだ。ばーちゃん生きている時に、あたしは産まれたんだよね」と、いいぞ泣きやむと、他の二人も泣き止んだ。

「ごめんな、泣いてしまって」と、とまこが言うと、「私も」、「あたしも」といい、照れていた。

美歌は、そういえば、心優は、幼稚園の頃、よく泣いていたっけ?と思い出していた。

確か、幼稚園の先生によく、怒られていたな?なんでだったっけ?と。思い出そうとしたが、雲がかかったようにわからなくなり、美歌は、まっいっかっと、忘れた。

油絵を園子が出すと、三人はびっくりした。「すごい!プロみたい」と、絶賛した。

「今、美術部でも、描き出したんだ。スケッチブックに描いたのを先生が、見たら、秋の展覧会に出す絵を描くといいって」と、照れ臭そうに話した。

心優たちは、絶対賞取れるよと推した。

三人は、お茶とせんべいを食べながら、雑談をすると、「次は、心優ん

ちで、勉強会をしよう」と、話がまとまり、帰りしな、園子が、「弟たちが、乱入してすまんな。」と、言うと、「何いってんだよ、あたしたち、無二の親友だろ。」と、とまこが言うと、「む、無二までついてる」と、気が遠くなった。三人は、園子が貧血起こしたことも、気づかず、園子の家を、あとにした。

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