第十八

心優は、天気のいい月も星も見える夜空を見上げながら、「明日、雨降ってくれないかなー?」と、月にお祈りを、していた。

「雨になれ〜、雨になれ〜」と、わびしい願いを訴えていた。

心優の部屋は、八畳ほどのスペースだったが、心優はベッドを、窓側に置いて、机や椅子などはその端に置き、タンスは天然木の木でできた、オーソドックスタイプで、深めの押入れには、心優の内緒の色んな玉手箱がギッシリ詰まっていた。

ベッドの足元にはまあるいカーペットと、ハート型の色違いの大きさも

違うクッションが二つ置いてあった。

心優は、その中でベッドが、一番気に入っていた。

夜の夜空が覗けて、夜が好きだった。

良く考えたら、その夜更かしが、寝坊の原因なのではないか?

そんなことも、わからないほど、心優はいったん眠ると、爆睡してしまっていた、

翌朝、お母さんが布団をひっぺかえしに来ると、心優は、寝たままかと言う状態で着替えると一階に行き、台所で、食べれる物を選ぶとホットケーキが、目に入ると、ホットケーキを、一枚くわえると、晴天の朝やけに誘われるように、玄関をでていった。

眩しいなと、自然に思った。

朝やけに気づいた時、朝も結構いいもんかな?と、思いながら、足は走っていた。

教室に入ると、担任が「早くパン食べちゃいなさい。」と、目撃した自分が、恥ずかしく思った。

心優は、「ふほすほしゅみまへん」と、いいながらモゴモゴ食べていた。

きづくと、男子も顔を背けていた。

心優は「ファムでヒモファニフホ」と、男子に喋りかけたけど、目をそらされていた。

「はい、荒井さん食べ終わりましたか?」と、呆れまなこで見ると、「一時限目の先生を待たせているので変わりますね。」といい、担任がでていくと、入れ違いに理科の先生が入って来た。

理科か。実験は楽しいのに、ノート書き写すだけじゃん。と、退屈に思った。

心優の、近くを通る時、「実験したいのわかったから落書きしないの!」ど、実験風景をノートに書いていた心優に、一こと言うと、「実験ばかりが理科ではないんです。

黒板や、先生の話も聞くのも勉強ですよ」と、優しく言うと、珍しく心優は顔が真っ赤になった。

珍しく三組にいる美歌が、普通の休み時間に、心優に会いに来た 。

心優は、「どうかしたの?」と、聞くと、もう心優の言葉だけて、泣き出してしまった。

心優も、クラスメイトも、びっくりした。

男子たちは、心優が、星野を泣かせたと、言い出した。

しかし美歌には、その声は聞こえていなかった。

「心優、心優」と、タダポロポロ泣くだけだった。

事の事情に気づきだすと、男子のからかいはピタッととまった。

「今日、一緒に帰ろう。一緒に帰ろう」とだけ言うと、一組をあとにした。

男子たちは、星野が泣き虫だったことは知っていた。

でも、今の涙は何だったろう?と、不思議に思うだけだった。

「荒井、星野のこと、頼むな」と、声をかけると、本当に心配な顔、をしていた。

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