第十四
雨がザーザー降っている中、気温は高く、湿気を帯びて、制服が肌に食い込むような季節に、子供たちは、「暑いんだか、冷たいんだか、ハッキリしろ〜」と、焦れったく思っていた。
女の子たちは、白地の布を、何層にも重ねて、かおを書き、てるてる坊主を作って遊んでいた。
「てるてる坊主よ、この絡みつく湿気を取り除いてくれ〜〜」と、男子が言うと、「あ、そういや、湿気は、重曹がいいって、お母さんが言ってた。」と言うと、「どのジュースだ?ラムネか?」と言う者や、「どのくらい、重装すれば、この汗から逃げれるんだ?」と言う者やクラスは、重曹で盛り上がっていた。
最初に言った女の子も、聞いただけで、実際は何なのかを知らなかった。
「明日、重曹入れたてるてる坊主持ってくるよ〜」と、気楽に応えると、昼休みの終わるチャイムが、鳴った。
と、男子が、「荒井、それ、なんだ?」と聞くと、「てるてる坊主」と応えたが、それは紫色で見た目は、確かにてるてる坊主だが、グロ過ぎていた。
「何で、紫にすんだよ。」と言うと、「紫陽花の季節じゃん。やっぱこの季節は、鮮やかな色のてるてる坊主がいいと思って」と、紐の端っこを持ってぶら下げていた。
「おぇっぷ」と、見た者は、顔を下げた。
部活は、雨の為、体育館で、筋トレだけすると、解散になった。
「体育館使えて良かったね〜、途中から降って来たら大変だよね〜」
「もう雨でぐちょんぐちょんだよね〜。この季節は、やだな〜」
「でもなかなか見えないカタツムリが見れていいじゃん♪」と言う声やなんやかやと女子は、雨を喜んでいた。
校庭を見ると、野球部とサッカー部は、雨の中、まるで何もないかのように、練習をしていた。
「すごいよね。男子って。」と、感心しながら、学校をあとにしていった。
「ああ、柴田って、サッカー部だったんだ」と、思いながら、心優も帰っていった。
「心優ちゃん、今日は、何をイメージして、るの?」と誰かが聞くと、「アマゾン」と応えた。
迷彩柄のポンチョを着ていて、長靴も、迷彩柄でしめていた。
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